縁があって受け継いだり自分自身で購入した中で、「ずっと大切にしてきて、これからも大切にしたいもの」ってありますか。
「もの」に対して愛情を持っていたいし、そう思えるもの選びができたら嬉しいですよね。このコラムではそんな「大切なもの」についてお届けしていきます！
初回はムクリ編集部エディター＠hibiiro（以下、kaori）さんのお話です。
匂いをかぐと懐かしい気持ちになる不思議
２階にある我が家のストックルームの広さは４畳。ローリングストックしている日用品や防災用品、季節家電などを収納しています。
その入り口にある無印良品のスタッキングシェルフの上には香水を３つ並べています。
真ん中は大正生まれの祖母の形見の香水。古いものだから、よく見るとラベルも汚れています。
穏やかで怒ったところを見たことがなかった祖母。香水をつけるタイプではありませんでしたが、これは息子（私の父の弟）からの海外旅行土産だから大切にしていたのだと思います。
譲り受けてから転勤族の私たちは何度か引越しましたが、失わずに今の家まで持ってくることができました。
時々、フタを開けてちょっと嗅いで「そうそう、このにおい」と。きっと香りは長い年月のうちに変わってしまっているはずなのにそう思います。
両サイドにある香水は、夫と私が若い頃に使っていたもの。
若い頃は当然のように使っていた香水たちも、年齢のせいなのか時代なのか使う機会がグッと少なくなりこれ以外は処分しました。
祖母の香水は譲り受けた時からずっと置いておくと決めていました。でもそれがポツンと一つあるのは何だか寂しいと感じ、夫婦ひと瓶ずつ残す話に。
どれを選ぶか悩みましたが、夫婦とも候補の中に祖母の香水と同じブランドのものがあるのに気がついて。並べた時のバランスを考えても、これを残そう！となりました。
一番小さな祖母の香水を真ん中にしているので、親子のようにも見えて目に入るとほっこりとします。香水でほっこりするなんて少しおかしいのかもしれませんが、私にとってはそんな存在の香水。
使用期限はとうに過ぎていてもう使うことはありませんが、これからもずっと大切にしていきたいと思っています。
まるで親子のように並ぶ３つの香水。使うわけではないけれど、そこにあるだけでなんだか安心できるkaoriさんにとって大切なもの。
ものを通して誰かを思い出したり懐かしく思ったり、暮らしの中にそんな時間があるのも素敵ですね。
（編集：megu）
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