【暮らしのインテリア】自然の暮らしを大切に。ライフスタイルに合わせてものづくりを楽しむ〜家族がのびのびと過ごす無垢の家(ymd_home96さん)

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「暮らしのインテリア」ではすてきなお家やインテリア、整理・収納、お掃除を体現されてる方にフォーカスし、普段インスタグラムでは発信しきれない実体験をコラム形式で配信していきます。


注文住宅、マンション、アパートなどそれぞれ暮らしの中にインテリアがあり、背景には共感する点も沢山あると思います。そんな素敵な暮らしをお届けしていきます。


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コラム執筆者のご紹介


今回からコラムがスタートするのは、大きな窓から見える緑の借景と無垢がふんだんに使われた温かみのある空間が素敵な@ymd_home96(以下、のぞみ)さんのお住まい。


すぐ横には雑木林があり、自然豊かなロケーションからは田舎暮らしをイメージしますが、実はスーパーや学校もある利便性の良いニュータウンの一角に建てられたおうち。


初回コラムではここに家を建てるきっかけや経緯についてお話いただいています。それではのぞみさん、よろしくお願いします。


はじめに自己紹介


はじめまして。のぞみと申します。 我が家は主人と私、そして4歳、2歳、0歳の三姉妹の5人家族。


この家を建てるにあたり、悩んだことや感じたこと、大切にしたことなど家づくりに込めた思いをこのコラムで少しずつお話していきたいと思います。 よろしくお願いします。


あじわいのある家を目指して。自然と利便性を兼ね備えた場所で暮らす


ゆったりとした時間が流れる田舎での暮らしを経て


長女を妊娠中、主人の祖父母が住んでいた家がたまたま空き家であり、そこで2年ほど暮らしていました。 そこでの生活は、トトロに登場する“さつきとメイの家”のような田舎暮らし。


母屋に離れと蔵が二つ、畑と田んぼが敷地内にあり、夫婦二人と赤ちゃんには持て余すほどの広さでした。 汲み取り式のトイレや全室畳の部屋に、レトロな雰囲気満載のおにぎりタイルの浴室には銀色の石油風呂釜。


自分が産まれるより前のテレビで見たような昭和の暮らしに最初は少し戸惑いましたが、次第にゆったりとした時間の流れの中で過ごすそこでの生活が大好きになっていきました。


特にお気に入りだったのが長い縁側。ずっしり重い8枚の木の雨戸を毎日開閉するのは大変でしたが、慣れると一日の始まりと終わりを意識する大切な作業になりました。


畑の野菜を並べて庭の柿を子どもと拭いたり、ご近所のおじいちゃんおばあちゃんとお話したり、私にとって縁側は思い出深い場所。


遊びに来た友人からは「大変そうだね」と言われましたが、私たち夫婦はここでの生活がとても居心地がよく、家づくりが始まった時に夫婦揃って「新居は祖父母のような家にしたいね」と自然に思うほど。この家で暮らした経験が後に今の家を建てる原点となったのです。


新婚当初は都会の1LDKのアパート、次に先程お話した立派な日本家屋、そしてニュータウンでの賃貸暮らしも経験しました。


周りが次々とマイホームを購入したり「家賃がもったいない」という意見もある中で少し焦った時期もありましたが、今となっては三者三様の暮らしをしっかり経験できたからこそ、自分たちには何が合っているのかをじっくりと判断することができたのだと思います。


全てが「ちょうどいい」と感じられる土地との出会い


田舎暮らしへの憧れがずっとあり、当初の計画では市役所に空き家バンクの登録をして古い家をリノベーションして暮らす予定でしたが、いざ探してみると条件が合うような空き家は中々見つかりませんでした。


今ある空き家は解体や水道を引かなければならないなど、家づくり以外に費用がかかることが判明し悩んでいたところ視点を変えてたまたま立ち寄ったのがニュータウンの端にある今の土地。


優柔不断な私ですが、この雑木林の借景に一目惚れをしてしまったのです。


ここは近所にスーパーや学校もあって利便性も良く、ご近所の子どもたちも玄関側の道でよく遊んでいます。今思えば最初に探していた田舎すぎる土地だと子どもにとっては少し寂しい環境だったかもしれません。


この家に住みはじめて自然豊かな環境と生活の便利さの両方を、ちょうどいいくらいの量で感じています。


大切にした二つのコンセプト


家づくりをする中で大切にしていたことが二つ。


一つ目は「自然素材を使った和の家」であるということ。無垢のフローリングや漆喰の壁など、材質は自然のものにこだわりました。それは以前住んでいた祖父母の日本家屋で、50年の経年変化を見てその様子にあじわいを感じたから。


我が家も床や柱、梁の全てが家族と共に暮らす中であじわいを深めていけたらいいなと思いを込めて家づくりをしました。


また気密性や高断熱といった家の性能よりも、四季それぞれの気候に寄り添いながら生活したいという思いがあり、家全体の風通しや軒の深さ、漆喰壁の調湿効果などを重視しました。


薪ストーブについても何回も検討し「自然の暮らしを大切にしたい」という思いから最終的に導入を決めました。


二つ目は「箱のような家にしたい」ということ。年を重ねていく中で好みは変わっていくし、その時の子どもたちの年齢によっても生活スタイルは変わっていきます。


家の間取りを考える中で◯◯用と決めてつくり込みすぎないことを意識し「あくまでシンプルな箱のような家をつくってほしい」と工務店さんにお願いしました。


DIYが好きということもあり、その時々の家族の生活スタイルに合わせて必要な場所に必要なものをつくり、いらなくなったらまた変えて...。その時々の変化を楽しみながら暮らしたいと思っています。


賃貸暮らしを三回経験し、今はやっと思う存分壁に釘を打ってDIYを楽しんでいます。


借景が主役になる間取り


我が家の土地選びの決め手でもある借景。その眺めを最大限に活かすことができるよう、リビングを吹き抜けにし借景に面する壁をほぼ窓にするという間取りを採用し、外には縁側をイメージしたウッドデッキを設けました。


ウッドデッキは高野槙を素地で使い、リビングの高さと合わせることで無垢フローリングと調和して奥行きが出るので空間をより広く感じられます。


家づくり当初から借景に面した縁側を作りたかったので、ここは思い入れのあるお気に入りの場所です。 


あえて玄関は壁をグレーで暗く天井も低くし、少し窮屈な印象に。入ってきた時に対比効果で吹き抜けリビングがより開放的な空間になるような工夫もしました。


自分でつくる楽しみ


元々ものづくりが好きな私と力仕事や体を動かすことが好きな主人。DIYにチャレンジしてみたい気持ちはありましたが、知識もなかったので最初は何からどう始めればよいかわかりませんでした。


家づくりを通して関わって下さった設計士の方から色々と知識やアイデアを教えてもらったのが我が家のDIYの始まり。


一緒に作業する中で、少しずつ自分たちにも知識と経験が増え、応用していけるようになり、今では棚、机、子どものおもちゃなどを買う前に「これ作れるんちゃう?」と思ってしまうほど。


造作してもらうと費用がかかるからと始めたDIYでしたが、前述したようにその時々で生活しながら自分たちが便利なようにつくり替えていけるのがDIYの醍醐味です。


それはまるで家を建てたことをきっかけに生涯かけて楽しめる“おもちゃ”を手に入れたような感覚。次は何をしようと考えて作業をするその時間が楽しく、お庭も含めるとやりたいことは尽きません。



田舎暮らしと聞いて思い浮かぶ光景をそのまま体現したような日本家屋での暮らし。何気ない日常を切り取った写真からも当時の様子が見てとれて、素敵でしたね〜。


自然の中でのびのびと子育てができ、暮らしそのものが濃く充実している中で得たものは「自然を大切にあじわいのある暮らしをしたい」という気持ち。それは田舎でなくても実現するということが今のおうちからも伝わってきます。こんな素敵な借景のある暮らしがまさかニュータウンでも叶うとは驚きました!


家を建てる前に経験した都会と田舎での暮らしがあったからこそ何が自分たちに必要なのかという優先順位も見えるようになり、今のちょうどよい暮らしに繋がったのですね。


家づくり自体も考え方はとてもシンプルで、これからの変化を楽しむためにつくり込みすぎないというのが大きなポイント。


家を「生涯かけて楽しめるおもちゃ」と捉え、お子さんの成長やライフスタイルに合わせてその時々の「一番いい家」を自分たちの手で作り上げていく。家づくりに終わりはなく、これからもずっと新築時の新鮮さやワクワクした気持ちを味わえるような感覚、とても羨ましいなと思いました。


次回以降のコラムでは家づくりで取り入れて良かったことなど、詳しくお伺いしてみたいです♪


のぞみさん、ありがとうございました!

(編集:megu)


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