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「暮らしのインテリア」ではすてきなお家やインテリア、整理・収納、お掃除を体現されてる方にフォーカスし、普段インスタグラムでは発信しきれない実体験をコラム形式で配信していきます。
注文住宅、マンション、アパートなどそれぞれ暮らしの中にインテリアがあり、背景には共感する点も沢山あると思います。そんな素敵な暮らしをお届けしていきます。
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コラム執筆者のご紹介
今回からコラムがスタートするのは、セレクトされているヴィンテージの家具や小物など、センスの光るコーディネートが素敵な@_tokkogram(以下、tomoko)さんのお住まいです。
以前、短編コラムをお願いした際にインテリアのお話もぜひお伺いしてみたいと思い、今回連載をお願いする運びとなりました。
築古マンションをフルリノベーションされたそうですが、その辺りのお話もこれから連載でお伺いしていきたいと思います。初回は、tomokoさんのお家を飾るヴィンテージインテリアについてお話いただいています。
それではtomokoさん、よろしくお願いします。
はじめに自己紹介
はじめまして、tomokoと申します。夫婦共働きの会社員で、猫(6歳)と暮らしています。築古マンションを購入してフルリノベーションし、約2年が経ちました。
セレクトは夫、ディスプレイは私。夫婦でコーディネートを楽しんで
まず、わが家のインテリアについてお話するに当たり知っていただきたいのは、わが家にある家具やポスター、オブジェや器などなど、ほぼ全てが夫セレクトだということ。
夫のほうがインテリアに対してのこだわりや物欲が高く、私より素敵なものを見つけるのが得意です。私は夫が見つけてきたものをディスプレイして楽しんでいます。
僭越ながら、どんなものを取り入れているかご紹介したいと思います。
時代を超えて愛されてきた風合いと、深みのあるヴィンテージの魅力
リビングの椅子は気分に合わせて、ちょこちょこ変えます。
写真に写っているのはピエール・ジャンヌレやピエール・シャポー、シャルロット・ペリアンがデザインした椅子やスツール、アルヴァ・アアルトデザインのスツールも重ねています。
真ん中にあるのはジョージ・ネルソンがデザインしたプラットフォームベンチです。
時にはこんなギャラリー風に。
わが家にある家具は1940〜60年代のミッドセンチュリーに活躍したデザイナーが手掛けた、ヴィンテージのものが多いです。
名作家具は価格がとても高いですが、価値がある為もし手放す時がやってきても買い手が見つかり、循環させることができます。今の家に入居した時に使っていたダイニングテーブルも、今は違うものに変わりました。
アルヴァ・アアルトのダイニングテーブルを手放して、今はピエール・シャポーがデザインしたダイニングテーブルを愛用しています。
ヴィンテージだと今は作られていなくて珍しいものがあったり、時代を超えて愛されてきた風合いが感じられるので、部屋の中に置いた時に深みが出る気がします。
そんな理由からヴィンテージに魅力を感じ、夫は自分の好きなものを手に入れてきました。
セレクトした美しい家具やインテリアたち
リノベーションした家に入居する時に購入した大きな家具といえば、Arne Vodder(アルネヴォッダー)のサイドボード。購入前に夫婦で現物を見に行き、決めました。書類や文房具を収納しています。
アルネ・ヴォッダーの特徴であるリーフ型の引き出しのデザインが美しいです。北欧ヴィンテージらしさが漂います。幅が220cmあり、ディスプレイが楽しめる場所でもあります。
猫のために天窓下に設けたお昼寝場所があるのですが、サイドボードの上の壁にはそこへ行くためのキャットステップがあるので、それも込みでディスプレイを。季節によって変化するよう意識しています。
いつも置いてあるのはLouis Kalff(ルイカルフ)のデスクランプ、Fat lava(ファットラバ)などの陶器たちです。
ダイニングの照明として選んでいるのは、バーナーパントンのファン・シェル ペンダントランプ。真珠のような質感の貝殻のディスクがいくつも重なり、優しい雰囲気を醸し出してくれます。
風が吹くと、とても心地良い音色を聴くことができ、目を閉じるとリゾート地に来ているかのようなリラックスした気持ちになれます。
ヴィンテージのものは、玄関にも。猫の脱走防止扉として選んだのは、1930年代のイギリスのアイアンゲート。
脱走防止扉を玄関ドアに沿わせることに決定した後に探し、サイズ的にも取り付け可能なものがアンティークショップで見つかりました。
これは私が一目惚れしたものでした。今までどんなところで使われてきたんだろうと、想像するのも楽しいです。
玄関には、シャルロットペリアンデザインのCP1ウォールランプをリノベーション時に取り付けてもらいました。CP1ウォールランプは、玄関ホールにもうひとつあります。玄関ホールは広めなので椅子も並べられます。
空間に佇む特別感のある椅子
こちらはレザルクチェア。シャルロット・ペリアンが手がけた、フランスのLes Arcsスキー場の駅で使用されていたという椅子です。一般に向けて販売されることはなかったので、特別な存在となっています。
ピエール・ガーリッシュがデザインしたチューリップチェア。アルミキャスト製法で製造された座面は、ひとつひとつ表情が違います。シルバーのモダンな佇まいが、空間をキリッとさせてくれます。
ピエール・ジャンヌレの手がけた椅子は、一度見たら忘れないデザイン。背景にあるストーリーが魅力的です。
1950年代にル・コルビュジエが都市計画を実現させた、インドのチャンディガール。短期間で大量の家具を製作するために、インドの伝統的な手工芸の技術を採用することで現地の多くの人々が製作に携われるようにピエール・ジャンヌレがデザインしたそうです。
その結果、様々な職人によって木の太さや角度、製作方法の異なる非常に多くのバリエーションが作られたとのこと。サイズがひとつひとつ違うというのが、面白いところです。
もともと販売用に製作されていなかった椅子ですが、近年人気が高まりオリジナルに忠実に手仕事で再生産されています。
ヴィンテージの最大の魅力は、経年変化によって味わいが増している点だと思います。木の色が変わっていたり、革がたわんでいたり傷があったり。
同じデザインでもひとつひとつ表情が異なるところに歴史を感じます。唯一無二のものを手に入れる楽しさが伝わればと思います。
ヴィンテージの家具やインテリアでまとまったtomokoさんのご自宅。名作家具からはじめて目にするものまで、ヴィンテージの魅力をたくさん教えてくださいました。
ご主人が主にセレクトしたものを、tomokoさんがディスプレイをしていくというスタイル。ご夫婦でインテリアを楽しまれているおふたりの関係性もとても素敵です。それも、お互いのセンスを信頼し、認め合っているからこそできることですね。
セレクトしたものや飾り方を見ていても、こういったセンスはどうやったら磨かれていくのか…落ち着きのある雰囲気と大人っぽさのあるインテリアのセンスに、終始魅了されっぱなしでした。
経年変化による深みや味わい、それぞれ個体差があったりするのもヴィンテージの魅力。背景にあるストーリーを知ると、また見方が変わって更にその良さを知れた気がします。
時代の変化と共に流行り廃りもあるインテリアですが、こうして素敵にコーディネートされているのを拝見すると、いつの時代でもずっと色褪せないヴィンテージのかっこよさを感じました。
次回のコラムも楽しみです♩tomokoさん、ありがとうございました!
(編集:maki)
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