鉄釜のカラーをモチーフにリメイクされた現在のキッチン
個性的な調理道具・器具に囲まれたキッチンについて、kitchenarrangeさんにコダワリをお聞きしました。
このキッチンに出会うまでの苦労や、現在の色合いにたどり着くまでの変遷まで語っていただきました。とても共感できる点も多く、自分色に変えていくという視点もとても参考になります。
ぜひ、ご覧ください。
IKEAのキッチンではありますが、調理道具や毎回アップされる料理を見ていると、なんだか懐かしい「台所」を感じさせてくれるキッチンでもあります。
(※記事の中での規格は建築時のものです。現在の最新の規格はメーカーの商品ページ等をご参照いただけますと幸いです。)
メーカー:IKEA(イケア)/METOD(メトード キッチン)
「理想のキッチンをつくろ」
イケアのキッチン、METOD/メトード は、キッチンを自由自在にデザインできるキッチンシステム。キャビネットフレームから扉や引き出し、取っ手まで、豊富な商品がそろっているので、組み合わせは無限です(HP参照)
kitchenarrangeさんのキッチンサイズ
全長:2700mm
奥行き:1000mm(シンク側660mm/カウンター340mm)
高さ:860mm(+立ち上がり430mm)
デザイン
天板:無塗装の無垢材(集成材)
立ち上がりのタイル :名古屋モザイク
その他
食洗機:ASKO(アスコ)
水栓:リクシル/ナビッシュ
レンジフード:ヤマゼン/クックフードル
カップボード
メーカー:IKEA(イケア)
全長:3600mm
奥行き:430mm
高さ:850mm
ダイニング側収納
メーカー:IKEA(イケア)
全長:約2700mm
奥行き:430mm
高さ:1100mm
kitchenarrangeさんのキッチンに出会うまで
海外製の食洗機設置がポイント
kitchenarrangeさん
キッチンを選択する際の一番の希望はミーレの食洗機を設置することでした。
私が不動産業業界で働いてることもあり、色々な物件を見た時に外国製のボッシュの食洗機をみたことがあり、フルオープンタイプの食洗機はぜひとも導入したいと考えていました。
その中で、第一候補はミーレでした。
我が家は共働きで、前の家のときにビルトインで食洗機を入れず、洗い物のたびに主人に対する怒りが爆発していました・・・(笑)
そこで、食洗機を外付けで買ってもらい、なんと便利なものなんだろうと痛感するも、日本のサイズでは容量も少ないですし、外付けの置き型はキッチンの作業台を占領してしまい、とても不便でした。
置き型ですと、存在感がでてしまい、音も割と大きめです。そして、容量が少なく結局手洗いでも良いのかな?という考えに至ることもありました。
自分の理想・希望のキッチンに出会うまでの道のりは険しかった
最初は建築会社からの指定(建築条件付き売地で地元の工務店が施工することが決まっていました)のタカラスタンダード・リクシル・パナソニックの3社からキッチンは選択できました。
それぞれのショールームを全てまわりましたが、どうにもしっくりこない。
そして肝心の食洗機に関してリクシル・パナソニックに質問をすると、標準のキッチンタイプでは対応できず、外国製の食洗機になると、給水の関係でキャビネットが特注になる。かつ、キッチンの高さが850mm→900mmになる(基本的に高さは5センチきざみでしか対応できない)と説明され、価格もプラスされ、正直あまり積極的に対応したくない雰囲気を感じ取ってしまいました。
タカラスタンダードだけは対応が違い、主力のホーローキッチンになると金額もかなりあがるのですが、施工担当会社の方で特販商品がありそちらを紹介してくださいました。
過去、ミーレの食洗機に対応した経験があるようで、特販商品であると扉材や面材の選択肢が多くありました。ここは非常に心揺れましたが、フルフラットであることや、天板の石の冷たい感じと、鋭角にとがったキッチン天板の角など、しっくりこない点がいくつかあり決め切れませんでした。
国産のキッチンにはどうしてもピンとくるものがない中、ちょうど第二子出産直後の育休の時間を使い住まい系の雑誌やブログを読みまくりました。
ムクリさんのコンセプトにもあるように、本当に情報が少なかったと感じてます。
当時はインスタグラムやfacebookなどメインではなく、検索やブログ経由で情報収集はできましたが、予算が潤沢で特殊な注文住宅を建てられた方の情報ばかりで、かなり苦労しました。
とりわけ、海外製の食洗機となると情報源は限定的で、ブログで質問させていただいたり、口コミに頼るしか方法がありませんでした。
私は不動産会社に夫婦で勤めていますので、建物や土地の情報は比較的得やすい立場にいましたが、お恥ずかしながら部屋の中のこととなると知見も乏しい状況でした。
これは首都圏であれば尚更かもしれませんが、知人は新築のマンションを購入するケースが多く、親族もあまり注文住宅を建てる経験がなく、周囲に同様の経験をした人が少ないとも感じました。
同様の経験をされてる方もムクリさんの読者の中では多いのではないでしょうか。
選ぶ楽しみのあったIKEAのキッチン
kitchenarrangeさん
キッチンハウスさんという会社や、オーダーキッチンというカテゴリがあることを雑誌等で知ることができました。しかし、色々電話で相談するも、予算的に厳しいことがわかりました。
そんなとき、ふと新居にあう家具を買いにIKEAに行ったんです。
そこにはシンプルで、必要最低限のキッチンキャビネットに自分の必要なものを付け足していく提案や、キッチンの高さも1センチ単位で設定でき、どうしても入れたかった大きな食洗機が普通に入っているキッチンが展示されていました。家具屋さんでキッチン?!と相当衝撃を受けたのを覚えています。
デザイン性とコスパ◎
温かみのある天板(無垢の集成材)であったり、扉材も木の合板ではありますがMDFという強い素材で、前のサンウェーブのキッチン(14年前に結婚した再に築30年のマンションをリノベーションしました)の扉材がシート材だったのもあり、それよりも強い素材で探してた私の理想に近いものでした。
余計な装飾や、機能の無い、デザインに飽きがきたら塗装できる素材を探していましたので、もうこれだ!と思いました。
ただ、周囲でIKEAのキッチンを使っている方は見たこともなく、主人を説得するのが大変でしたが、キャビネットの構成や、費用などスケッチをして、実際にIKEAに何度も足を運びデザイン性とコスパの良さで主人も納得し、採用に至りました。
吊戸棚は最初から必用を感じていなく、結果減額できました。
キャビネットも、引出式になると高くなりますから、できる限りバックカウンター側やダイニング側も含めて一番シンプルな観音開きのタイプにしました。
棚板をつけれるようになっているので、お皿のサイズや入れたいもので変化をかけれます。よく使うコンロ下や、シンク下は引出式にして、使いやすさを優先しました。
見えないところと見えるところにコスト配分ができる点も、とても自由度が高く、選ぶ楽しみがありました。
情報の透明性も選択の理由
本音を言えば、日本人の生活を知り尽くしているのは、やはり国産メーカーで、かつ作り手のこだわりを感じるものを選びたかったです。
しかし、国産メーカーキッチンも素晴らしいと思いますが、各社差別化のために本当に必要なのか?と感じる部材や機能が増えており、私がコストをかけてでも欲しい面材だったり、キャビネット本体については選択の幅が非常に少ないと感じています。
加えて、定価と見積もりの値段がなぜに各メーカー異なるのか?なぜそんなに割引が前提なのか?といった見積りの不明瞭さなど、業界の当たり前が私には納得できなかったのもあります。
その点、IKEAは業者に卸す価格と、一般価格はさほどかわらず(ビジネス会員だとたしか10%引きなど)、購入する金額と施工の金額も総額に対していくらと明確です。
割引率を大きく見せていただくよりかは、透明性のある金額を表示していただくことが私なりの納得に繋がり、そのニーズにIKEAが応えてくれた、という点も選んだ理由なのかもしれません。
キッチンカラーがライフスタイルを変化させる
キッチンリメイクの過程
kitchenarrangeさん
我が家はキッチンカラーをリメイクしています。
最初は真っ白なキッチンに憧れがあり、白いキッチンを採用しました。
ただ、当たり前ですが白いと汚れも目立ちますので、扉を拭きあげる作業も億劫になりました。そして、その為か、仕事から帰宅後真っ白いキッチンを見るとなんだか疲れを感じるようになりました。
仕事柄、いろいろな住まいを見るチャンスがありました。好きなことでもありますが、雑誌などを見て、いろいろやってみたいことがあったのでまずは何事もやってみようと思いリメイクを決めました。
また、こどももまだ小さく、どうせ汚れるなら(実際結構汚されてました)もう汚してしまえ!とアンティーク加工のペインとをこども達と一緒に塗装しました。
面白かったですよ。ディズニーランドのアトラクションにあるような、ちょっと汚れた感じにしようと思っていたので、こども達とラテン系の音楽をかけながら塗ったのを覚えています。
そこから、どんどんそのときの気分にあわせて、塗装をするようになりました。
こんな感じで、今の状態になるまでに4回は塗り替えています。
・アンティーク(ミルクペイントのアンティークメディウム)→水色→翡翠グリーン→ダークグレー
因みに最初のキッチンはこちらです。
翡翠グリーンの時はこのような感じでした。
リメイクで家族にも変化が?!
そうなんです、実はインスタグラムでは現在のキッチンをメインで投稿してますが、これまでリメイクは1回ではないのです(笑)
でもなんだかシックリこなくて。そこで、行き着いたのがポーターズペイントです。
ここの塗料はとても安全で、色味が綺麗なんです。ワークショップを開いており、そこで講習を受けないと販売してくれない姿勢にも感銘を受けました。
さっそくワークショップを受け、とても簡単な塗装方法でした。
色は、なんだか今まで散々、洋風なものに憧れていろいろやった結果、和のテイストに戻りたかったのか、あまり定かではないですが、毎日使っている鉄釜を見て、こんな感じのキッチンにしたいと思い色合いを決めました。
塗料を相談して、その色味に近い、黒と藍色の中間のような色を調合してもらいました。今はこの色が一番落ち着くカラーです。
不思議とこの時期位から、主人が料理に興味を持ち出し(結婚10年、食事作りは何もしなかった人です)キッチンに立つようになりました。
ひょっとすると、真っ白いキッチンは男性にもなんとなく入りにくい雰囲気があったのかもしれません。私自身も当時はキッチンにはあまり人を入れたくない思いがあり、汚してほしくないという気持ちも強かったと思います。
今では、誰かが自分のキッチンで料理をしてる姿を見るのが一番好きなことです。こども達もキッチンに立つことが好きです。
洗浄力・フィルターが特徴的なASKO
内装もオールステンレスでフィルタも独自洗浄がありお掃除の手間が減り清潔感が特徴的なASKOの食洗機。ラックも3段あり、高い洗浄力」も売りで、海外製食洗機を使う上でも違いがあると言われています。
最低ランクでも13人分の食器を一度に洗浄できる海外製ならではの大容量も魅力的な食洗機です。
また、ASKOに関して詳しく解説されてるサイトがございましたので、参考までにご紹介させていただきます。
ASKOに決めた理由
kitchenarrangeさん
食洗機は大容量で、フルオープンタイプ、かつ200Vのパワーが欲しかったのですが、これは国内では現状みあたらず、結果ASKOかガゲナウかミーレの3択になりました。
この時点でツナシマ商事さんや、ミーレ、ガゲナウなどのショールームをまわり、自分で見てさわって、色々話を聞きました。
その中で、ASKOは他社に比べて、乾燥が強いと聞き、その仕組みをメーカーさんの担当者さんからよく聞いて決めました。 フィルターの清掃も毎日しなくてもよい点も評価できました。
実際、乾燥で甘いと感じたことはありませんし、お手入れも楽ですのでASKOに決めて良かったと感じています。 ※プラスチックは素材の性質上水がある程度残ります
kitchenarrangeさんのキッチンに関するQ&A
普段のお手入れはどうされてますか?
普段のお手入れはセスキスプレーをシュシュっとしてリネンの布巾で拭きあげる程度です。シンクはヤシの実洗剤のプレミアムタイプを使いスポンジで丸洗いする流れです。
汚れの強い油ハネなどは、セスキ(粉)を汚れに直接ふりかけてサランラップを丸めて擦ります。五徳の汚れなんかはこれで大抵落ちます。
排水溝は週に一回程度、お掃除用のブラシでゴシゴシしていますが、夏場など臭いが気になる時期にはハイターなど強めの洗剤を塗布しますが、こちらも基本はセスキが基本です。
無垢の天板のお手入れはどうされてますか?
木の天板は、カサツキがきになったら、エゴマ油を直接天板にこぼしてリネンでなじませてから、拭きあげています。(お肌と同じ保湿的な)一月に一回程度気になったら程度で、あまり神経質にはやっていません。
収納について意識されてる点はありますか?
日々の暮らしに合わせ使いやすさを意識しています。
収納は全体の7割程度に抑え余白を持たせることで取り出しやすさが生まれます。
また、例えばお米を炊く時に使用するザルとボール、軽量カップのセットは近くに置いておくなど、誰でもわかるように同時に使うものは近くに置いています。
そのため、私の場合はあまり定位置は決めすぎす、その時々で変化させています。
飾り棚で意識されてることはありますか?
実際にキッチンで使用する道具を飾ることが多いです。
その道具ですが、自然の色味を感じることができるものを選び、食材が映えるシンプルなものを選ぶようにしています。
また、無機質にならないように、季節を意識しながらクスッと笑ってしまうような小物も飾るようにしています。家族が和んだり、来客時の話のキッカケにもなるんです。
ゴミ箱はどちらに置かせてますか?
シンク下に収納しています。かなり大きめのゴミ箱ですので非常に重宝しています。
前の家ではゴミ箱の収納に悩んだこともあり、今の家では家事効率も考えシンク下に収納しようと決めていましたし、IKEAのキッチンも対応していましたので、採用しました。
こうすれば良かったなど感じることがあれば教えてください
・キッチンの立ち上がり
手元を隠す為に立ち上がりをつけました。正直これは未だに悩んでいるポイントなんです。
先述している通りフルオープンなキッチンは手元が丸見えなのでハードルは高いと思いますが、もう少し工夫したら開放感がでるキッチンになるのでは?と思うことも。そうはいってもやはり常にキレイな状態を維持するのは大変だとうなと揺れ動いています(笑)
・キッチンの窓
今の家ではキッチンに窓を多く採用し、とても明るいです。
ただ、隣家との関係で曇りガラスのスリット窓を採用しましたが、ここから緑が見えたら最高だなと思います。
もしもう一度キッチンをつくる機会があるとすれば、壁付きのキッチンにし窓から緑や外の景色が見えるようにしたいですね。
お気に入りのキッチン道具があれば教えてください
・イワタニ/カセットコンロ
普段からお米を炊くのに使用したりしています。
どんな調理器具でも火元がなければ使えないですよね。これは、どこでも火が起こせますので、カセットボンベも備蓄しています。災害時にもこれがあればいろいろ役立つと思ってます。
いかがでしたでしょうか。
個性溢れるキッチンには何度も変化を遂げてきた背景があったんですね。
また、設計当時、なかなか情報が少なかったという点にはとても共感しましたし、ムクリは始めるキッカケも同様の想いからです。
最近はDIYでも簡単にキッチンカラーを変えることもできますので、購入時の状態を保つだけではなく、暮らしの中で自分色にDIYしていくことを見越したキッチン造りも選択肢としてはありかもしれません。
kitchenarrangeさん、ご協力ありがとうございました!
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