自然を身近に感じる暮らし。erisa.inaさんのおうち造りを探索!【土地 LDK 吹き抜け】

広がる自然に視界の抜け感も抜群


自然を感じる開放的なおうちにお住まいのerisa.inaさん(以下、erisaさん)の土地選びから家のコダワリまでご紹介していきます。


四季折々変化を見せる特徴的な「窓」には、土地探しから窓の方角、そして床や天井高にちょっとした工夫が施されていました。


建築関係にお勤めのerisaさんならではの土地選びの視点や、設計時の工夫はとても参考になりますし、ムクリでも珍しい視点でした。ぜひ、ご覧ください。


(※記事の中での規格は建築時のものです。現在の最新の規格はメーカーの商品ページ等をご参照いただけますと幸いです。)


自然を身近に感じる土地探し


erisaさん 

家を建てるにあたって、まず根底にあったのが「自然の豊かさを身近に感じて暮らしたい」というコンセプトでした。季節の移り変わりを感じながら暮らしたいとずっと思っていました。それが土地選びにも、窓へのコダワリにも表れている気がします。


季節を感じられる土地選び


土地に望む条件は「緑の森」「池や川の水辺」「広い空が見える」の3点でした。


私の土地探しは、まずはGoogle Earthから始まりました。インスタグラムでも土地探しについて聞かれることもあり、このように回答するとそんな探し方する人はあまりいないと突っ込まれます(笑) 


ニュータウンと呼ばれる住宅地は、開発前は山や森を切り開いて作られ、新興住宅地として利便性も高いことが多いです。そのため、住宅街の隅っこは山や森に面している土地も多いので、ニュータウンにある土地を高空から重点的に探しました。


因みに参考までに、私が選択した土地は駅から遠くないのですが、区画も空いており、値段も相場より安めでした。土地の価格は、幹線道路やスーパー、学校から近い要素が指標にされているそうです。「美しい自然」は価格には反映されないようです(笑)


視線の抜ける土地選び


日本には南道路神話があって、住宅地では南道路の土地から売れていきますが、 南道路では人や車からの視線が気になって、 レースカーテンを閉めっぱなしにしているお家が多いですよね。それでは自分の家の空間が家の中だけで終わってしまいます。


本当は、窓の外の庭も、お隣のお庭も、駐車場も、森も、空も、自分が家の中心にいて見える行き止まりまでの距離が、空間の体積だと思っているんです。だから、視線の抜ける土地というのには、ものすごくこだわっていました。


我が家は道路への接道は北道路です。道路以外にも抜けがあるなら、南道路にこだわる必要は全くありません。東南角地でなくても素敵な家は建ちます。


家づくりは土地にとても左右されます。ハウスメーカーが勧めてくる以外の土地も、自分の目で足できちんと抜けを探しに行くことをオススメしたいです。


カーテンをつけない暮らし


これは私の持論で、土地が持つポテンシャルを最大限引き出すために、土地次第で家の間取りは変わると考えています。我が家も、この土地でなかったらこの間取りにはしなかったかもしれません。


具体的には、隣接するお家と同じように道路に対して平行に建てるのではなく、斜めに配置して建てました。これは、窓の先がお隣の壁とか、お隣の窓とならないように、視線が抜ける場所に対して窓をつけるためでした。


そして、何より目の前にある森が一番綺麗に見える部分を大窓で切り取るためでした。


施行中はご近所の方の「斜め!斬新ね!」という声が聞こえて少し焦るといいますか、恥ずかしさもありましたが、住み始めて半年も経てばご近所の方々も見慣れていただいたようです(笑)


家の中にある主要な窓からお隣が見えにくい造りになったため、カーテンをつけない暮らしをおくることができています。


四季折々、違った表情を映し出す窓


「窓」は我が家のシンボル


erisaさん

この窓があるおかげで毎日自然を感じることができています。そして、四季折々で違った表情を見せてくれるとても大切な場所です。


◯冬には雪化粧します


◯秋には紅葉も綺麗です


◯夏は青々しい緑でいっぱいです


陽射し一つでも表情が変わってきます。 

夏は直射日光が入らず、冬は奥まで日光が当たる暖かい設計になっています。設計当時、太陽の角度の線を図面上に何本も書いてイメージを膨らませました。


家の打ち合わせ時、どうしても間取りばかりに気を取られてしまうと思います。ただ、家は立体ですので、ぜひとも立体も意識してみてほしいです。


天井高がポイント!


開放的な窓(視界)を実現させるためのポイントがありました。それは「天井高」です。


実は1階の天井高は2250mmしかありません。アパートでも一般的に2400mmあると言われてますし、注文住宅であれば、なるべく天井を高くしたいと考える方も多いと思います。


既製品の窓は特注品を除いて、高さは2230mmが最大になります。この窓が床と天井ぴったりに収まるように2250mmの天井高にしました。


こうすることで、天井から床までがガラス面になり、私が意識している抜け感が一層増します。少し大袈裟な言い方かもしれませんが、視覚的に外と中の区別がつかなくなる効用があります。


他にも、腰高窓も天井ぴったりに付けたり、ドアも天井までにし下がり壁を無くすことで全体的にスッキリした印象になっています。


圧迫感を感じさせない工夫


天井高が2250mmしかないと圧迫感を感じませんか?とよく聞かれるのですが、正直そんなに気になりません。


私は割と背が高い方で、ジャンプしたら天井に手は届きますし、主人なら尚更です。でも圧迫感を感じないのには2つポイントがあります。


◯大きな吹き抜け


リビングの真上が大きな吹き抜けになっています。 

ですので、天井高を感じるのはキッチンとダイニングくらいで、視線を落として作業する場所になるので、圧迫感を感じることはありません。


むしろ、吹き抜けの窓から空が視界に入ってくるので、開放感を感じることの方が多いです。


◯掘り下げリビング〜ウッドデッキ


インナーデッキと言われるように、リビングが約350mm掘り下げられています。つまり、リビング上では天井高は2600mm(実際は吹き抜けがあります)になります。


また、ウッドデッキと床を水平にすることで、デッキ部分まで繋がっているように感じ、ワイドに視界が開けます。デッキ上には屋根があり、室内の天井と同じくらいの高さなので天井もつながっているように見えます。


ウッドデッキは主人がDIYで造り、サイズは以下になります。

・ウッドデッキの軒:1820mm

・ウッドデッキ:4500mm×3300mm(約9畳)


こんな感じで、我が家は外と中の境界線を曖昧にし、外をどう気持ちよく取り込むかという部分に並々ならぬ情熱をもって(笑)建てられた家です。


多目的な吹き抜けと一工夫あるリビング


グルっと一周できる吹き抜け


erisaさん

吹き抜けの周りはグルっと通路になっていて、北側はライブラリースペース、東側は物干し、南側は本を読むためのヌックなど(こちらDIYで作る予定です!)と、通路をただの通路にせず、役割を持たせて、多目的な場所にと設計しました。


南側の窓は一部出っ張りを造り出窓のようにしています。毎朝起きて森の美しさにハッとさせられます。


室内物干しにはコダワリあり


二階には寝室、お風呂、脱衣室、こども部屋があります。


二階の間取りでこだわったのは室内物干し場です。 

我が家は共働きということもあり、洗濯物を室内に干す頻度がかなり高いです。


昨年は長雨も多かったですし、我が家の地域は、カメムシが大量発生しておりました(手前が自然なのでそれは仕方がないのですが)。そんなとき、設計時に室内干しスペースを考えておいてよかったなと思います。


室内干しスペースを考えるときに気をつけた条件は以下です。

◯日当たりが良く

◯風通しが良く

◯洗濯機に近く

◯クローゼット(収納場所)に近く

◯外干し場所のベランダや庭に近く

◯来客から見えづらく

◯リビングやダイニングのくつろぐ場所から見えづらい

◯コンセントが近い(扇風機や除湿機用に) 

◯エアコンの風が当たる (こどもが明日使うものなど、急ぎのものはここに!)


書き出したらとても沢山の条件がありました。


その条件を満たす二階の吹き抜けホール(という名の廊下)に室内干しハンガーがおけるスペースを作っておきました。洗濯機のある脱衣室の前で、ベランダに出る勝手口の前です。


スペースといっても一部分だけ通路の幅を広くしてるだけのなんでもないスペースなんですが、ここが非常に助かっています。


また、大きいバスタオルやジーンズなどは日当たり抜群な吹き抜け手すりにかけています。最初からここにかけることになるだろうと思って、南側の手すりはスチールのまま、木の手すりをつけませんでした。


リビングにもちょっとした工夫あり


先述してる通り、リビングは掘り下げていて、窓のとこがベンチのような役割になっています。


ここは室内の縁側のようなスペースで、よく家族が寝転がったり、ソファと同じ高さになるので、視線を合わせて会話することができます。


また、友人や家族が来た時に、ダイニングテーブルをリビングにおけば、大勢で座れるベンチチェアとしても活躍してくれています。


掘り下げリビング部分だけは、床材を斜めに貼ってます。


最初はヘリンボーン貼りも考えたんですが、8畳程度しかない掘り下げリビングに同じ幅のものをヘリンボーン貼りしても模様が大きすぎてバランスが悪いと考えて、斜め貼りに落ち着きました。


それに玄関ホールからリビングを見たとき、この写真でいうと左上側から入ってくる流れになり、床材を対角線上に向かって貼るので、目の錯覚で家が広く見える!はずです(笑)


床材:無垢//オーク材


床暖房ではありませんが、前の家のフローリングに比べると、やはり「冷たいっ!」て感じは少ないと思います。


特に日光が当たっていたところは蓄熱してるのかホンワカあったかです。逆に夏はひんやり冷たくて心地よいので、自然の木の対応力ってすごいなと感心します。


無垢の無塗装のものを貼ってもらい、自分たちでミツロウワックスを塗りました。


キッチンは回遊動線がコダワリ


erisaさんのキッチン

メーカー:リクシル(LIXIL)/アレスタ


サイズ

全長:2550mm

奥行:650mm

高さ:850mm

立ち上がり:17mm(キッチン天板より)/110mm(バックガード上から)


デザイン

天板:人工大理石

面材:グレーストーン(廃盤)

ダイニング側:モルタル


その他

食洗機:リンナイ

水栓:浄水器付きタッチレス水栓

グリル:パナソニック/ラクッキンググリル


カップボード

高さ:990mm

全幅:2700mm

・幅900mmの4段引き出しタイプ×2台 

・一段引き出し+オープンスペース(ゴミ箱置き場)×1台


erisaさん

キッチンの間取りで意識したのは、行き止まりをつくらないことです。よく回遊導線といったりしますが、キッチンをぐるぐる回れるようにしたいと思っていました。


以前、対面キッチンの家に住んでいたのですが、二人でキッチンに立つと、いつも壁側の行き止まりに追いやられていたのでここが通り抜けられたらいいなと思っていました。


しかし、両側が通り抜けられるアイランドキッチンを作るには、2.5間の幅(4550mm)が必要です。木造住宅ではだいたい2間間隔で柱を入れることが多いので、その間取りが難しいことも知っていました。


壁付きアイランドキッチン


そこで考えたのが「壁付きアイランドキッチン」です! 見た目はペニンシュラキッチンに近いです。 


コンロ側には壁を建てて壁の中には柱が入っていますが、その周りは通路としてぐるぐる回れるようになっています。そのおかげで玄関からまっすぐ冷蔵庫の前に行けるので、買い物のあともラクですし、キッチンとトイレへの導線も近いので助かっています。


キッチンと背面収納との距離


一般的にキッチンと背面収納の距離は「850mm」「1000mm」「1200mm」の3パターンにわかれることが多いです。


勿論、土地の広さにも関係してきますが、主にキッチンに誰が立つことが多いかという側面が強いですよね。それぞれメリットがありますが、我が家は1200mmにしました。


キッチンと背面の収納の距離を1200mmと広めに取ったのも、キッチンに夫婦二人で立つことが多いためです。ちょっと広すぎるかなと思いましたが、調理中に冷蔵庫に物をとったり、主人が行き来したりできるので、ご夫婦でキッチンに立たれる方にはオススメです。


また、食洗機をフルオープンにしたまま、背面の引き出しも開けてそのまま収納できる広さですので、案外家事動線としても使い勝手の良い広さです。


ダイニングテーブルの位置にも理由があります


以前対面キッチンの横にダイニングテーブルがぴったりついている家も経験していて、そのとき料理の配膳もラクだしすごくいい!と感じていたのですが、一点だけ不満がありました。


それは、テーブルの向かい側に座った人はキッチンに行くのにすごく遠回りになる、という点です。 


その席の人がキッチンに入りにくいと、何でもかんでもキッチンに居る人に頼みますからね。麦茶取って〜、とかマヨネーズ取って〜とか(笑)


それは避けたい!と思ってダイニングとキッチンの間はしっかり空けることにしました。そこから、ダイニングテーブルを壁につけて、そこに絵画のような四角い窓をつけようという発想になりました。


erisaさんのおうち造りのQ&A


空調はいかがですか?夏・冬などお聞かせください


エアコンは今は吹き抜けの上にあたる二階の廊下に一台つけています。これもひと夏、エアコンなしで過ごしてみてから半年後くらいにいれました。200Vのもので、ダイキンのうるるとさららです。


夏は一台で全く問題がありません。涼しい空気は上から下に落ちてくるので二階でクーラーをつければすぐに効きます。


反対に冬はこの二階のエアコン一台では寒いです。


我が家はもともと一階の掘り下げリビングに薪ストーブを置くことを計画しています。建てたときは予算が足りず、あとから付け足すことを考えて煙突用の穴などの施工は先にしてあります。


まだ導入できないまま二回目の冬を迎えております(笑)…が、諦めずに来年には入れたいと思います。


昼間は冬の日差しが差し込み蓄熱されるので、ぽかぽかと暖かいのですが、夜になると肌寒く感じます。そのため、一人暮らし時代に使っていた小さな石油ファンヒーターを一台炊いております。


ただし、この容量では一軒家を温めるほどの力はないため、ファンヒーターから離れた場所は肌寒いですね。二階は暑い空気が溜まるのか十分暖かいです。寝室は二階にありますので、寝室個室には暖房等はおいていません。


その他コダワリポイントはありますか?


◯カスタム洗面台


洗面台は結構悩まれる方も多いかと思います。 

収納やメンテナンスを考えればメーカーですし、デザインやタイルとか考えれば造作も良いななんてことも。


そこで、我が家は掃除や使い勝手を考慮しシンク台はメーカーの物を導入し、三面鏡と間のタイルはDIYすることを選択しました。三面鏡は窓のラインに合わせて見た目もスッキリさせています。


ちょっとした工夫で違った印象にもなるので、その名も「カスタム洗面台」オススメです(笑)


◯キッチンサブウェイタイル


キッチン脇のサブウェイタイルもDIYしています。流行りのタイルも目地やサイズで全然イメージ変わってきます。目地はリクシルのキッチン用スーパークリーンキッチンです。これは汚れに強いのでオススメです。


デザインは目地を細めにし、レンジフードやモルタルに近いグレーを採用しています。


いかがでしたでしょうか。


土地選びの視点はムクリでもなかなかご紹介できておりませんが、Googleearthというのは斬新でした(笑)でも、それだけ土地って重要な要素ですよね。


天井高もとても予想外でした。天井はとにかく高くというのが何故か基本にありましたので、erisaさんのような工夫もあるんだなと、執筆しながら何度も頷いてました。


erisaさんはインスタグラムでも家造りに関する独自の視点や考えをよく投稿されていますので、ぜひ参考に除いてみてほしいです。


erisaさん、ご協力ありがとうございました!


erisaさんのインスタグラムはこちら


今後も少しずつ、記事を更新していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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