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注文住宅、マンション、アパートなどそれぞれ暮らしの中にインテリアがあり、背景には共感する点も沢山あると思います。そんな素敵な暮らしをお届けしていきます。
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家族みんなの満足度を高める家づくりの工夫
こんにちは、早いものでこのコラムも連載5回目となりました。家を建てたばかりの時に始まった初回コラムから1年ほどが経過し、今ではマイホームハイがすっかり落ち着いております。
「家が好き」という気持ちは穏やかな好きへと変化し、自分の居場所として馴染んでいます。家づくり当時を思い出しながら、今回は「メリハリ」という視点で3つお話します。
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1.いるかいらないかのメリハリ
「メリハリ」は、私の普段の生活でもかなり大切にしていること。
・なにが大切か、なにが必要ないか
・好きなものは重視する、好きじゃないことは手放す
など、YESとNOをはっきりさせるようにしていて、この考えが家づくりにおいてもかなり反映されているように思います。
大切なものと不要なものを明確にし、大切なものは充実させて、いらないものはいらないと割り切る。
例えば、最近は家事動線を重視した広いランドリールームも人気ですが、わが家の家事動線はそこまで便利ではないし、広いランドリールームもありません。
理由は単純で「家事が好きじゃないから」。好きではないことにお金をかけたくなかったのです。
代わりに重視したのは「趣味を楽しむ場所」。
夫は大切にしているスニーカーのために、コレクションルームも兼ねた広い玄関とディスプレイ用の靴棚、私は大好きなコーヒーと本を楽しむために景色の良い土間リビングとライブラリースペースをそれぞれ設けました。
家事の時短は家電でも解決できるし、狭くても洗濯はできる。私たちはそれよりも“好き”をもっと楽しめる家づくりを優先し、結果的に満足度がぐっと高まったと思います。
2.予算のメリハリ
途中でいろんな情報や素敵な施工事例を見ると「こういうのもいいかも」「これもやってみたいな」 と心が揺れますが、最初に優先することを決め、予算をかけるところとかけないところをはっきりとさせておくのがおすすめです。
「ファーストチェス理論」をご存知ですか? 5秒で思い浮かんだ手と30分かけて考えた手は86%同じだという科学的根拠があって、つまり直感と練りに練ったアイディアとはあまり大差がないということ。
これを知ってから、最初のアイディアは捨てたもんじゃないんだなと考えるようになり、家づくりでも迷ったら最初の直感でいいと思ったものや、初めに決めた優先順位に立ち戻るようにしていました。
わが家がお金をかけると決めていたのは、以下の3点。
・多くの時間を過ごすリビング周りとダイニング
・寒い地域だからこそ暮らしやすさに直結する“あたたかさ”は重視する
・夫のものが多いので、ストレス軽減のための充分な収納
リビングとダイニングは外の景色を楽しむために思いきった大きな窓に。床材は床暖房対応のオーク材の無垢を採用し、土間以外のリビング全面とダイニングからキッチンの足元までの全面に床暖房を設置しました。
夫はエアコンが苦手なため「床暖房を絶対に採用したい」という希望があった一方で、「床は無垢がいい」という私の希望もありました。
床暖房×無垢は一般的に相性が良くないものとされていますが、床暖房専用の無垢を採用することでふたりの要望をしっかり取り入れ、夫婦共々納得する形に落ち着きました。
おかげで真冬でもエアコンをほとんど使うことなく、裸足で生活できるほど。床暖房×無垢は採用した設備の中でダントツに満足度の高いものとなりました。
間取りの位置的にテーブルやカップボードも目に飛び込んで存在感が強くなるので、ここも予算をかけるところと判断し、家具屋さんにつくっていただきました。
木目の美しさが際立って目に入るたびに嬉しくなりますし、これからもっと味が出てくるのも楽しみの一つ。
充分な収納に関しては前回のコラムでも触れたのですが、ダイニングの床下全面が11帖程の地下倉庫になっています。
他にもガレージ横に自転車4台とタイヤなどが収納できる外部収納、コレクションルーム兼・玄関は6帖あり、靴の収納もたっぷりと設けました。
以前暮らしていたアパートでは夫のものが多いことが私のストレスになっていて、ことあるごとに「もう少し減らして欲しい」と要望していました。今思えば、夫もまたそう言われることがストレスだったと思うんです。
新居では大容量の収納を設けたことで夫婦共々ストレスが軽減され、心穏やかな暮らしにもつながり、この間取りを採用して本当に良かったなぁと思っています。
逆に「お金をかけないところ」と決めていたのは、2階のプライベート空間とトイレやお風呂、パントリーなどの壁や扉で区切られた空間。
コストダウンで工夫したのは、既製品を上手く活用して脱衣所やパントリーでは既製の収納棚を使って造作する箇所を減らしたり、床以外の階段とライブラリーのカウンターは無垢ではなく修正材を使ったりしたこと。
そして、アクセントクロスやタイルや石などの装飾を一切無くして極々シンプルに。
要る・要らないの判断に迷うものは採用しないのも大事。
魚焼きグリルや油はねガードのガラス、ランドリールームや家事室、寝室や子ども部屋の収納、和室、飾るためのニッチ、玄関タイル、庭、トイレの窓、窓のシャッター、オートロック機能、浴室乾燥など、迷ったものは全て採用しませんでした。
重視することをしっかり決めておくことで、「迷うものは潔く無し」と判断できたように思います。
そしてある程度の方向性だけ決めたら、情報収集は程々にしました。情報を集めるのに便利な時代ですが、逆を言えば多すぎて選べなくなる。結果的に足しすぎるのを避けたかったのです。
3.視覚的なメリハリ
わが家の特徴でもあるスキップフロアはファーストプランの前から要望し、必ず採用しようと決めていました。
それは「家の中にたくさんの居場所をつくりたい」という思いと、視覚的にリズムがあって楽しいのがすごく好きだから。
設計士さんが提案してくださったのは、変形した土地を上手く活かしたスキップフロア。横にも縦にも変則的に広がり、天井を見上げると材が幾重にも重なって高低差やリズム感が生まれ、視覚的な感覚が楽しい空間になりました。
この天井の面白さと景色の良さを生かすために、あえてクロスも窓枠も極々シンプルに白一色で統一。主張させるものとそれを引き立てるもの、そのバランスにも気をつけました。
視覚にこだわることで住まいに「メリハリ」が生まれ、それがわが家の面白みになっています。
家づくりってつくづくその家族の生き方の反映だなと思うんです。
なにが大切でなにが不要かを突き詰めることは、大袈裟かもしれないけれど自分の生き方を考えること。それをしてはじめて「じぶん色」の家がつくれるのかなぁと思います。
メリハリをつけることを大事にしているあまり、ボリュームたっぷりの文章になってしまいました。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
「要る・要らない」は、いわば究極の二択だと私は思うのですが、その線引きをしっかりすることで大切にしたいものが厳選され、自分のやりたいことが浮き彫りになって客観的に見えるようになるのではないでしょうか。
そこで暮らす家族が笑顔で過ごすために必要なものがギュッと詰まった3つの「メリハリ」を持たせた家づくり、とても参考になりました♪
yuriさん、ありがとうございました!
(編集:megu)
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