ヴィンテージ家具屋と遜色ない統一感のあるハイセンスなおうちにお住まいのcasa_omameさん(以下、omamiさん)のコダワリをご紹介していきます。
チーク材を中心とした家具が主役のコーディネートから、ホテルライクな洗面室、モダンなタイルの使い方など、全体を考えたバランスはとても参考になります。
また、施主支給を中心におうちづくりを進めた中での経験談も記事最後に掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
(※記事の中での規格は建築時のものです。現在の最新の規格はメーカーの商品ページ等をご参照いただけますと幸いです。)
北欧ヴィンテージが迎えてくれるLDK
大好きな家具に囲まれた暮らし
omamiさん
現在の家に住む前、賃貸アパートで生活している頃から、北欧インテリア、特に北欧ヴィンテージの家具が大好きでした。
リビングダイニングの設計の段階で、置きたい家具やその配置をイメージしながら、シンプルでモダンな印象になるよう設計しました。
勿論、今でもコレ!という家具があれば少しずつではありますが買い揃えています。
このブルーのオットマンは宮崎椅子製作所のペーパーナイフオットマン。カイクリスチャンセンのペーパーナイフソファに合わせたくて製作してもらいました。
インテリア全体が経年でそれぞれ変化をしていくのが楽しみの一つだったりします。
家の中心の小さな中庭に、シンボルツリーを植え、各部屋から眺められるように大きなFIX窓を設けました。また、南に大きな引き違い窓、東西に高窓を設け、とにかく明るいリビングダイニングが自慢です。
ダイニングはキッチン横に配置したので、できた料理をすぐに食卓へ並べられますし、後片付けもとっても楽です。
向かいの壁付けの飾り棚は、大工さんに無垢のウォールナット材の板を渡して取り付けてもらいました。お気に入りの北欧雑貨たちを並べて、食事中に眺めていたり、部屋全体のアクセントにしています。
音楽も趣味の一つなので、家のどこにいても音楽が楽しめるよう、天井にスピーカーを埋め込みました。
二階リビングを選択した理由
広さはLDK全体で約20畳ほどです。
我が家は周りが新興住宅地で、なおかつ角地に立っています。その中で、プライバシーに配慮しながらも明るいLDKで毎日を過ごしたかったので、 二階LDKを採用しました。
キッチンメーカー:SANWACOMPANY/GRAD45
特徴
サンワカンパニーのこだわりを詰め込んだ「グラッド45」。
高級感のある外観はもちろん、サイドパネルや扉の小口を見せない留め加工など、細部にまで配慮したデザインですっきりとしたイメージを実現。ステンレスなので耐火性・耐久性に優れ、汚れや臭いがしみ込みにくく、お掃除も楽にできます(HP引用)
グラッド45の詳細はこちらよりご覧いただけます。
omamiさんのキッチンサイズ
・全長:2565mm
・奥行き:650mm
・高さ:850mm
デザイン
・ステンレス/バイブレーション仕上げ
・キッチンタイル:名古屋モザイク/パヴォーネ(品番PVO-09)
その他
・食洗機:なし
・水栓:ミズタニ/混合水栓ヘッド引出式
・レンジフード:渡辺製作所/スリム型サイドフード
・ガスコンロ:ハーマン/プラス・ドゥ(PLUS do)
omamiさん
キッチンの標準仕様はヘアライン仕上げですが、オプションでバイブレーション仕上げへと変更しました。傷が目立ちにくいので優先度高めで依頼しました。
タイルは名古屋モザイクのパヴォーネで、LDK全体のインテリアに調和すると思って思い切って渋めの色を選びました。リビングからはやや隠れるのですが、ダイニングに座った時にこのタイルが視界にたっぷり入ってくるので、キッチンの印象が一味変わります。
食洗機は二人分なので、手洗いの方が早いことと、メンテナンスが大変そうと感じたため、導入しませんでした。また、その分キッチンに収納スペースが確保できるのも理由の一つです。(今はシンク下にゴミ箱を収納しています)
ガスコンロはハーマンです。
プロ仕様っぽい見た目に一目惚れしました。
また、ガスコンロは火力を目で見て調節したいと思ったのも採用した理由の一つです。
下がり天井
キッチンとダイニングの下がり天井には、 フローリングと同じIOCさんの、「プラフォンセパレ」というチーク材を使用して、木張り天井としています。 あえて目地を強調する造りで、よいアクセントになって、気に入っています。
カップボード
背面キャビネット(カップボード)は、サンワカンパニーのコントルノというシリーズで、 無印良品とコラボした商品です。表面はウォールナット材です。
いくつかの扉・形状・サイズなどの組み合わせを選択することで、オーダー家具のように指定することができました。
最初に収納したいものをリストに挙げてイメージし、観音開きと引き出しの比率にもこだわって発注しました。
実際に、カップボードには食器類などキッチン周りの道具は勿論のこと、DVDプレイヤーなどインテリアでは見せたくない家電も収納しています。そのため、コンセントの配置もしっかり設計しました。
部屋のほぼ端から端までの長いものになるので、天板もできるだけ継ぎ目がないようにお願いした結果、インテリア全体と調和し、ヴィンテージ家具のような佇まいになりました。
洗練されたデザインに惹かれてオールステンレス
フルフラットのアイランドタイプも憧れましたが、どうしても手元を隠したくて、腰壁を設け、立ち上がりのある壁付けタイプにしました。
どのキッチンを導入するかはかなり迷いましたが、決め手になったのは業務用のようなオールステンレスで、角のしっかりと出た洗練されたデザインでした。実際にショールームで触れたことで、決意は固まりました。
オールステンレスの無機質さは、タイルをあしらうことで北欧インテリアとのバランスをとりました。 また、キッチンと背面キャビネット(カップボード)の距離は広すぎても物を取るのに大変と聞いたので、丁度いい幅をショールームなどで何度も確かめました。
建築会社は比較的、施主支給を認めるタイプでした。というよりは、契約前にカタログにないものは施主支給をしたい旨を、あらかじめ伝えていたということもあるかと思います。
狙いとしては、自由に商品が選べるうえ、施主支給をすることで中間マージンがなくなり、コストカットも望めると考えたからです(しかし、実際はそううまくいきませんでしたので、末尾に参考までにという意味で記載させていただきます)。
玄関を開けると、一番贅沢な空間がお出迎え
omamiさん
玄関は、特にお気に入りのスペースです 。広く設けたモルタルの玄関土間にスケルトン階段、FIX窓越しの中庭にシンボルツリーという構図は、設計の初期段階から希望していました。
玄関正面にはヴィンテージのサイドボード、そしてその上にはリトグラフがお出迎えしてくれます。実はこのリトグラフは昔からず〜っと欲しくて、設計段階から夢見ていたアイテムです。
海外のオークションを巡り巡っての出会いがあり。。。これは話も長くなるので割愛いたしますが(笑)左のFIX窓から見えるシンボルツリーと、北欧家具、リトグラフと、夫婦の好みをギュッと詰め込んだ場所になっています。
2階リビングですので、玄関は必然的に暗くなりがちなのと、夜に帰宅した際の雰囲気を大切にと照明にもこだわっています。
また、長い上がり框(かまち)は施主支給です。
なるべく一枚のもので綺麗に見せたかったのですが、注文できる最大の長さが足りなかったので、目立たない箇所で繋いでもらってます。
朝はFIX窓より陽射しが差し込み明るく、夜とはまた違った雰囲気があります。
玄関を抜けると書斎という名の趣味部屋
玄関向かった右には夫の書斎という名の趣味部屋があります。
先述した通り私たち夫婦は音楽好きですが、とりわけ夫はレコード収集と音楽制作、DJを趣味にしています。
そのため、部屋の中はレコードと機材で溢れかえっています(笑)DIYで部屋サイズピッタリに作成したレコード棚が自慢です。
どうしてもと設計段階から欲しかった夫の趣味部屋ですが、小さいながらも確保できてよかったです。
北欧とモダン、バランスとコダワリが入り混じるインテリア
ヴィンテージ家具との付き合い
omamiさん
インテリアに関しては、デンマークやスウェーデンといった北欧のヴィンテージ家具を中心にコーディネートをしています。
特に、経年変化で飴色になったチーク材の色味が好きで、ソファやテーブル、ダイニングチェアなどは、そうした木材を使用した家具達です。
すらっと伸びた細い足は、部屋全体の圧迫感も少なくしてくれますし、また、床の掃除もしやすいです。 一つ一つがお気に入りの家具ですが、一つ挙げるとすれば ハンス・J・ウェグナー デザインのダイニングチェアCH23でしょうか。長く愛用している1脚です。
また、北欧ヴィンテージ家具の良いところは価値が下がりにくいこともあると思います。ご覧の通り我が家にはコツコツ買いためてきた家具が並びますが、実はオークションで手に入れたり、手放したりも繰り返しています。
ダイニングの椅子は最低でも6回は買い換えています。その際に、やっぱり大切に使っている家具ほど買手もつきやすいですし、価値って下がらないんだなぁと実感します。
勿論、北欧ヴィンテージの家具は、買うときはなかなかいいお値段がしますし、一大決心が必要なのですが、 大切にすれば長く使えますし、そういったところも魅力的です。
インテリア全体の調和を考えた床材
床材は、IOCフローリングさんのもので、 正確には、表面に通常より厚めのチーク無垢材張り合わせた複合フローリングになります。あらかじめ光沢を抑えたオスモ社のクリアオイル加工が施されています。
より高価な一枚板のものではなく、縦長方向に3~5枚継ぎ足しされている「ユニタイプ」と呼ばれるものです。
これは、コストを抑える意味もありますが、あえてユニタイプでも色々な表情が出ると思い、選んでみました。見た目はもちろん、さらさらとした肌触りはチーク無垢材そのもので、選んでよかったと思っています。
普段のお手入れは掃除機や乾拭き等のみですが、 たまに、オスモ社の「ウォッシュアンドケアー」を水で薄め、ウェスで軽く水拭きしています。
随所にモダンを取り入れた
我が家のテーマとして北欧と「モダン」がありました。普段目が行く場所は北欧中心にコーディネートし、隠された洗面室はホテルライクなモダンテイストを取り入れました。
二階の洗面台はAICAの人口大理石スタイリッシュカウンターです。ホテルライクを狙い、壁とフロアを馬目地のタイル張りにし、壁付け水栓にしています。
二階の洗面台はよく使うので、シンクとカウンターが一体型で掃除がしやすく、水跳ねを気にしなくて済むようなものを選びました。
また、浴室と洗面台、脱衣室、トイレといった水周りを近くにまとめ、スペースをなるべく広く取ったこともポイントです。
トイレと洗面を2つ並べて設置することに少し躊躇しましたが、採用してよかったと思います。
因みに、洗面室はキッチンの裏側に位置し、下の写真の右側が浴室にあたります。
また、一階の手洗い場もシンプルですが、タイルのトーンを落とすことでモダンな雰囲気に仕上げました。
IKEAの木材カウンター上に、サンワカンパニーの洗面ボウル「エレガンススクエア」 を置いています。タイルは名古屋モザイクの「アデオナ(ADE-08)」で、鏡はACTUSのものです。
空間設計でちょっとしたコダワリ
わかりづらいかもしれませんが、我が家のドアは全て神谷コーポレーションのフルハイトドアを採用しています。こちらはドア枠がなく、下がり壁もないのでとてもすっきりして見えます。
とにかく家具中心のお家の中で、余計な凹凸をだしたくなくフルハイトドアにたどり着き、こちらも施主支給しました。カワジュンの取手もシンプルでスキがないところが好みです。
施主支給のポイント(余談)
私が感じた施主支給の難しさ
omamiさん
ここからは余談で、施主支給の体験についてムクリさんにぜひ!とお願いもされましたので、あくまでも私たちの体験ですが、これからおうち作りを検討される方の参考になれば幸いです。
◯前提
何度か記載もしていますが、私たちはかなりの数施主支給にしました。
これは、使いたい部材が建築会社の標準になかったのと、中間マージンのコストカットを狙えると見込んでいたためです。 (キッチンからフローリング(天井板含む)、ドア、タイル、カップボード、トイレ、水栓、ミラー、カウンター木材、ライトなど)
◯結論
当初予想していたよりも、期待どおりのコストカットは出来ませんでした。それは、後に建築会社の示す差し引き金額が、予想よりも低かったためでした。
◯詳細
注文住宅は、ざっくりな見積もり&間取りで施工会社を決めたりしますよね。その後、設計やインテリアデザインの過程で決めた予算内に収めつつ、仕様やキッチンなどを決めていきます。
当然、施主支給をすれば中間マージンを減らすことはできるのですが、元々の見積もりがざっくりなため、どれだけ減らすことができるか?は施工会社の一存になってしまいます。
施工会社側も全体で利益を考えていると思いますし、自分達が取引しているメーカーの方が安い想定の場合も勿論ありますよね。
設計前の段階から詳細な見積もりは難しいので、施主支給による減額(自分の期待する金額)というのは割と難易度が高いのかな、という印象です。
◯まとめ・ポイント
施主支給をするにあたり、私なりのポイントは以下の二つです。
・最初(もしくは、都度)細かな見積もり金額を提示してもらう。そして、それを最初から伝えお互い了承の中で進める。
・コストカットではなく、好きなモノを採用したい!という想いを優先する。
なかなか、お金の課題ってクリアにならないので難しいところですが、それでもやっぱり好きなメーカーやアイテムを採用したい!という方も多いと思います。
施工会社を決める前に、施主支給をしたいこと、希望するメーカーやアイテムの取り扱いがあるのか?などなど伝えて進めていくことをおすすめします。
想定よりはコストがかかりましたが、それでも今のおうちには満足するほどこだわれたので、これも良い経験だと思っています。
いかがでしたでしょうか。
北欧家具のお店のような佇まいですよね。
統一感やセンスもそうですが、ここまで好きになれること、ブレないことってとても素敵だなと思います。
家具と向き合いながら丁寧に扱い、時には手放し、時には迎え入れて、そんなomamiさんの家具への想いもしっかり伝わってきました。
また、最後の施主支給の内容、これは必見ですね。これは何が悪いとかそういうのではなく、好きなモノ・コダワリを通そうとすると、それなりの課題に直面するということだと思います。
やはり、体験者のリアルな声をしっかり聞いて、事前準備をどれだけ整えていけるかは一つのポイントだな〜と改めて考えさせられました。
omamiさん、ご協力ありがとうございました♪
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