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「暮らしのインテリア」ではすてきなお家やインテリア、整理・収納、お掃除を体現されてる方にフォーカスし、普段インスタグラムでは発信しきれない実体験をコラム形式で配信していきます。
注文住宅、マンション、アパートなどそれぞれ暮らしの中にインテリアがあり、背景には共感する点も沢山あると思います。そんな素敵な暮らしをお届けしていきます。
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コラム執筆者のご紹介
いつか家を建てるなら無垢がいい。そう漠然と考えている方も多いと思います。
そんな憧れを実現させたkoko_ieさん(以下、こちさん)の無垢の家。ナチュラルになりすぎず、ブラックで引き締められたインテリア選びもとても素敵です。
今回より無垢の特性やデメリットまで考え抜かれた無垢の家について、お話しいただこうと思います。
それではこちさん、よろしくお願いします。
はじめに自己紹介
はじめましてこちです。
我が家は夫と私の2人で、1年前に工務店で無垢の一軒家を建てて暮らしています。
それまでは、夫が一人暮らしで住んでいた1LDKの小さなアパートに私が転がり込むカタチで住んでいたのですが、さすがに2人では手狭になり、すぐにマイホームを建てようという流れになりました。
マイホームを建てることをきっかけの一つに、インスタグラムで素敵なおうちを目にする機会が増え、私もこんな綺麗で整ったおうちにしたい!と思うようになりました。
インテリアも収納もまだまだ初心者ですが、そんな初心者でもできる空間づくりやインテリア・収納などをご紹介できたらと思っています。
人と共に変化していく無垢に包まれた空間
建てたい家をイメージして工務店を選ぶ
以前働いていた職場で新築のおうちにお邪魔する機会があり、そこで無垢材に触れたことがきっかけで、いつか自分たちの家を建てるなら無垢の家にしたい!と思うようになっていきました。
そしてある日、地元の工務店のオープンハウスに参加したときに、木の風合いや温もりがダイレクトに感じられ、やわらかい印象を与えてくれる無垢材の虜になり、工務店を選ぶ際に譲れない条件が無垢を使った家であるということになりました。
最終的に私たちがお願いした工務店は、地域密着型で安心してお任せできるという事や、ローコストで地元の木材を使った無垢の家を建てられるというのが決め手になりました。また、執拗な営業や勧誘も無かったのも好印象でした。
変化を楽しむ無垢の魅力
無垢の家に拘った理由の一つが、経年変化を楽しめるということでした。
無垢材を表現するのに「古美ていく(ふるびていく)」という言葉が使われることがあります。これは使えば使うほどに馴染んで艶が増し、深みが出て味になるという意味だそうです。
種類にもよりますが、無垢材はは経年変化で色が濃くなっていきます。劣化することなく長く付き合っていけるのも魅力の一つだと思います。
我が家は梁や柱・階段などには柔らかく温かみのある杉を使い、床は違った質感を楽しみたかったのでクルミを採用しました。
クルミは節がなく自然な風合いが楽しめ、杉に比べ硬いので傷がつきにくいのも床材に選んだ理由のひとつです。ユーロオイルクリア仕上げにすることで、クルミ材本来の質感を存分に楽しめるようにしました。
キッチンやダイニングテーブル、寝室のテレビ台も無垢材のものを選びました。まさに無垢だらけハウスですね(笑)
キッチンはウッドワンのキッチンでオーク材を採用しました。念願叶って完成したキッチンは本当に使いやすく居心地の良いお気に入りの空間です。
ダイニングテーブルは、床と同じクルミ材で工務店さんに造作していただいたものです。実は床をヘリンボーンにしたいと希望したのですが、床暖の施工の都合上、諦めなければいけなかったので、ダイニングテーブルでヘリンボーンを採用してもらいました。
我が家の為だけに作っていただいた唯一無二のこのテーブルを、大切に使い込んでいきたいなぁと思っています。
外壁は黒のガルバリウム鋼板で硬い雰囲気なので、抜け感を出したくて無垢材を採用しました。サイディングではなく本物の木なのでより重厚感が増し、安っぽく見えないのがメリットです。
こうして一括りに無垢材と言っても、自然のモノは木の質感や風合いが違うのが魅力ですね。今は色味が揃っていますが、20年後・30年後にどんな変化が見られるのかとても楽しみでもあります。
思わず触りたくなる快適さ
実際に住んでみて思うのは、無垢の床は季節関係なくサラサラとしているので、裸足で歩いてもべたつく感覚が全くなく、想像していた以上に心地よくて快適だということです。やわらかく温かみもあるので、冬場はヒンヤリ冷たい感覚がなく、部屋全体も温かく感じられるほどです。
また、無垢材には湿度を調整してくれる機能もあり、暖房や加湿器を使っていても窓に結露がつかず、カーテンにカビが発生する心配もありません。これには本当に驚きました。
無垢は湿度の変化で、冬場は木が乾燥して収縮するので、床板の間には隙間ができます。
床暖は絶対に採用したかったのですが、無垢と床暖は相性があまり良くなく、LDKのみ無垢を諦めようとも思いました。しかしLDKこそ無垢にしないと無垢の家じゃない!と思い直し、どちらも譲れなかった結果、あまり推奨されていない床暖に無垢という暴挙にでました(笑)
正直、床暖を使うことで通常よりも更に乾燥し、床板はかなりの隙間が空くのであまりお勧めはできません。
しかし床暖と無垢の床の組み合わせで、冬でも足元ポカポカ、ラグなどを敷かなくてもいい点など、無垢の質感を一年中楽しめてとても快適です。
逆に夏場になると膨張して隙間がなくなるという目に見える変化もあり、木が生きているという感覚も楽しめています。
無垢の家で暮らすということ
ここまで無垢の良さをお話ししてきましたが、やはりそこは自然のもの、メンテナンスは必須になってきます。
住み始めたばかりの頃は、梁がパキッと音を立てて収縮していましたし、今ではヒビが入っているところもあります。(構造には問題ありません)私はこういった変化も楽しみながら暮らしています。 他にも傷やシミがつきやすく、お手入れが大変なのも事実です。
我が家は1年半ごとにオイルを塗ろうと思っています。今はまだ入居して1年と少しなので、特にメンテナンスはしていません。
また、大きな傷もまだ付いていないので補修はしていませんが、物を落としたときのへこみやキズなどは、水を垂らし30分くらい放置した後に濡れタオルを置き、アイロンを当てることである程度は補修できます。こうしたメンテナンス次第で、新品同様の姿を取り戻すことが可能なのが無垢のイイトコロです。
外壁(木材部分)についても、普段からすることは特にないですが年月が経つと、日光や雨の当たり方によってムラができてしまうので、1年半〜2年に一度のペースで塗料を塗らなければなりません。
養生シートをかけてから、サンダー→塗料を塗る→ウエスで拭き上げる→乾燥させるという流れで、1年半から2年に1回とはいえ、中々の負担になります。この負担があっても、高級感と木の質感はやはり無垢ならではと言えるので、採用したことを後悔することはありません。
こうしたデメリットともしっかり向き合った上で無垢の家を建てたことは、私にとって暮らしを豊かにする上でとてもいい選択でした。
新築の家で暮らす楽しみも、これから先もこの家で暮らしていく楽しさも、無垢だからこそより一層感じられるのだと思います。
以上、私が無垢の家を選んだ理由をお話しさせていただきました。次回も無垢の家で暮らすことの良さを少しでも皆さんにお伝えできたらいいなと思っています。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
こちさんの無垢を随所に使ったおうち、写真からも木の温かみが伝わってくるようです。
我が家も無垢の床を使うことは第一条件でした。しかしこどもがまだ幼いことや、猫がいること、メンテナンスのことなど色々考慮する中で、設計士さんにもフローリングも検討してみてはどうかと提案されました。でもそこは意地でも無垢の床がいいと夫婦の意見は一致していたので、強行しました(笑)
実際に2年暮らしてみて思うことは、無垢はとにかく気持ちがいいという事です。
この家に暮らすようになってからは、裸足で暮らすことがほとんどです。こどもに至っては一応ラグも敷いてあるのに、気持ちいいからと床にゴロゴロ寝そべっています。
こちさんのお話にもあったように、自然素材のものと暮らすという事はいいことばかりではなく、メンテナンスの大変さがあります。 床は2年も経ってくると、日の当たり方によっては焼けてしまって色がムラになってきたりも・・。メンテナンスでせっかくの休日が一日潰れたりすることもありました。
それでも、メンテナンスし終えたウッドデッキで満足気にコーヒーを飲む夫や、床を嬉しそうに転げまわっているこどもたちの姿を見ると、家も手をかけてあげた分、とても愛おしく見えてきます。
ムクリの由来でもある無垢。
真っ新な木がこれから暮らしていく上で傷付いたりする変化も楽しみながら家と一緒に年を重ねていく。そんな暮らし方のできるお家、素敵だなぁと思います。
こちさん、ありがとうございました♪
(編集:megu)
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