【暮らしのインテリア】日常の中に非日常を感じる自由な家~沢山の「好き」を凝縮した暮らし(nobo__interiorsさん)

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常識に捕われない自由な発想から生まれた我が家のカタチ


執筆者:nobo(@nobo__interiors)さん


この季節、家の前の川沿いには桜並木の絶景が広がり、改めてここに家を建てて良かったなと実感する瞬間でもあります。


前回のコラムでは、この土地でこの設計事務所だったからこそ実現できた、私達の家造りの始まりについてお話しました。今回は我が家の間取りがどのように出来上がっていったかについてお話したいと思います。


コンセプトが決まった初回の打ち合わせ


土地と設計の契約が完了し、いよいよフリーダムと家の打合せがやってきました。


初回の打ち合わせで伝えた要望と、質問への回答内容が何処まで平面図に落とし込まれているか、また、桜のロケーションをどの程度活かした間取りになっているのかを楽しみにスタジオに向かったのを覚えています。


ファーストプラン一階・二階


まず驚いたのは延べ床面積における中庭の大きさでした。それは40畳のワンフロアの内、6畳を中庭に使うという提案でした。


実を言うと、私は当時吹き抜けをどのように設計すればより広くスペースを確保出来るかと考えるのに頭が一杯で、妻の要望でもあった中庭のことをすっかり忘れてしまっていて、いただいた図面に驚いてしまったことを覚えています(笑)


しかしこの図面を提案してもらったことが、私達の中でどんな家にしたいのかという方向性が完全に決まった瞬間でもありました。


それは住みやすさや動線やこどもに気を使った家ではなく、日常の中に非日常を感じることが出来る要素に溢れた自由な発想の家でした。もちろん予算の範囲内ということは変えずに、家を造るというよりも人が暮らせるお洒落な建物を作ろうと決めたのです。


予算内で理想の家を建てるための工夫


設計士さんから提案されたこの間取りには予算節約のアイデアも込められていました。実際に我が家が採用したことは以下の4点についてです。


1.中庭


中庭には天井が無いいわゆる屋外なので、工務店が見積もりに起こす施行床面積には含まれません。広く取ることにより施工面積を減らすことが出来ます。


家そのものを小さくする事にはなりますが、外壁はきちんとあるので不思議と損した気持ちにはなりませんでした。


2.吹き抜け 

吹抜けの2階部分の金額は、床面積の半分で計算されていたので必然的に節約になりました。


ただ私はそれを知った時に、床も無いのに半額にしかならないのか?とも思いましたが、吹き抜けを造るというのは私達の家造りに於いて譲れない絶対条件でしたので、そこは条件を受け入れることに。


3.水周り

我が家の水周りの設備は全て北側に配置されています。


これは以前この土地に建っていた家の設備であった配管が全て北側から回っており、残っていた配管をそのまま活かしつつ配管の距離を短くするためです。既存の配管を有効利用することによって工事費用を節約することが出来ました。


4.外観


私達が外観について希望したことは、出来る限りスクエアに近い家のカタチにしたいということでした。


実は外壁は角が少なく単純であればあるほど施工の手間が省けるのでコストは抑えられるそうです。結果的に私達が希望した通りスクエアの家にすることでコストダウンに繋がりました。


こうした節約のアイデアを盛り込みつつ、より思い切った方向へ設計士さんと1ヶ月ほどプランを練り直し、今の我が家のカタチへと近づいていきました。


自由な発想が凝縮された間取りの完成


空間の使い勝手や、動線効率で考えれば、設計士さんが一人で考えたファーストプランの方がずっと良いモノだと思います。しかし私は機能性や部屋の広さは割り切ってでも間取りからオシャレにしようと覚悟を決めていたので、その観点からいくつかの変更をお願いしました。


まずは吹き抜けを2階廊下の空間とセットとして考えることで、より開放感のある空間を生み出す間取りへの変更です。


元の図面ではキッズルームからしかFIX窓の桜を見れなかったので、個室に入らなくても桜が眺められる作りにしたかったことに加え、以前吹き抜けのある住宅を見学をした際に、吹き抜けが2階の部屋の壁に囲まれていると開放感を、自邸建設の際には必ず廊下を吹き抜けに面した位置にしたいと考えていました。


そうすることにより、吹き抜け自体の面積は減ってしまうのですが、2階廊下の天井と吹き抜け部分の天井高が揃い一体感が出るので、結果として下から見上げる天井の面積は増えます。


合わせるようにして、2階の廊下も長く取りました。我が家くらいの規模の家では、基本的に2階の廊下は極力減らすことで部屋の面積を広く取るというのが一般的なのではないかなと思います。


しかし我が家は敢えて一階から見えるこの廊下を長く取ることで、より家を広く見せることが出来ると考えました。


そして、2階にある4つのドアを均等間隔に配置し部屋数を多く見せることで、その効果はさらに高まりました。


実際には3畳の書斎と8畳ほどのキッズルームを二等分するためにつけた2つのドア、トイレのドアなのですが、まるで部屋が4つあるような視覚効果がありました。


また、プライバシーを気にして窓は少ないですが、中庭から効果的に採光できるつくりになっています。


私は吹き抜けや中庭に面した明るい廊下を歩くという暮らしの中の小さな動作一つでも、それは家を楽しむということの一つであると考えていて、廊下を長く取るということは広く見せたいという視覚効果はもちろん、暮らしを楽しむことに繋がっているのだと思います。


1階部分については、ファーストプランでは収納スペースが少なく場所も小分けにされていたモノを大容量の収納へと変更しました。


採用したプランはキッチン背面の壁一面に1階の主な収納スペースを集約し、収納出来る量を増やすと同時に凹凸の少ないスッキリとしたリビング空間を実現しました。


この収納のスタイルは私の理想であったショップライクなインテリアにも一役買ってくれています。 


こうして出来上がったのが今の我が家の間取りです。


水周りの基本的な配置は大きく変えないなど、予算の面にも十分に配慮しながらも、施工床面積はそのままに遊び心と機能美・割り切りを持った我が家らしさが随所に散りばめられた間取りになったと思います。


我が家の後悔ポイント


後悔ポイントは実は殆どないのですが、強いて言うのであれば2階の延べ床を増やしたことで、その分玄関を削ることになってしまい、その結果ビルドインのポーチにした事です。


ポーチは確かに雨がしのげて便利なのですが、やはり予算オーバーしてでも玄関を広く取りたかったなぁという想いは今も捨てきれない憧れでもあります。


我が家は日常の中に非日常を感じられる家というのを家造りのコンセプトとして掲げて設計しました。このようにインテリアよりも先に間取りからオシャレを演出する事で、インテリアにかける予算も減らせるというメリットもあるかもしれません。


我が家のようにローコストでもデザイン住宅を諦めたくないという方に参考にしていただけたら幸いです。


最後まで読んでくださりありがとうございました!



家を建てようと思った時、きっと誰もがこんなイメージにしたい、こんなことがしたいと色々な思いを馳せるのではないかと思います。


デザイン住宅を建てたいと思いつつ、予算の壁が立ちはだかって諦めてしまうということもあるかもしれません。色々な方のコラムを拝見していても、理想の家を手に入れるためには自分たちにとって必要なモノ・これは諦められるモノなどの取捨選択が大事だと言うことがわかります。


noboさんの自由で遊び心がある発想が生み出した空間は、家自体がインテリアとしての役割を果たしていたり、窓の外の景色や中庭から見える4畳半の空もプライベートなモノに感じられるほどに一体感がありますね。


一方で既存の配管を活かすなど、予算をかけなくて良いところはしっかりとコストを押さえるという設計士さんのプロのアイデアがうまく融合していまのカタチが出来上がりました。


全てはコンセプトに向かって考え抜いた結果が今の暮らしへと繋がっています。まずは自由に、そして諦めずに模索することで思い描く家造りに近づくことが出来るのかもしれませんね♪


noboさん、ありがとうございました!

(編集:megu)


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