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余白と余裕を意識したシンプルモダンスタイル
家づくりの際に1番悩んだ部分がキッチンでした。
それまで漠然としていたイメージを具体的且つ現実的に考えていくうちにコダワリがどんどん強くなっていき、それをまとめていくのが大変な作業でした。
今回はそんな我が家のダイニングキッチンについて、詳しくお話していきたいと思います。
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経年変化を楽しむキッチン
私がイメージしたキッチンの全体像は、機能的でずっとキレイなキッチンというよりも、経年変化を感じられるようなキッチンでした。
いつまでもピカピカなキッチンにも惹かれたのですが、自然の温もりと使い込んでいくうちに付く傷や跡が残っていくというのもいいなと思ったことから、完全造作のキッチンをお願いするに至りました。
私たちがキッチンに求めたことは以下の点でした。
・シンプルで余白と余裕を感じられるキッチン
・お手入れしやすい天板
・素材やサイズで背面のカップボードに統一感をもたせる
・キッチンからダイニングを見渡すことができる
・キッチンに回り込まずにダイニングからも配膳出来る
・出しておきたいもの見せたくないものを柔軟に収納できる
背面の壁には敢えて棚などは付けずに余白のある空間を目指し、大人2人が余裕を持って立てる広さと幅に加えて、キッチンとカップボードの間の通路も広めにとってもらいました。
当初、天板は大理石なども検討しましたが、最終的にはシンプルでお手入れもしやすく衛生的なバイブレーションのステンレスを採用しました。少し値は張りましたが扱いやすく、使い込んでいくうちに自然と付く傷も目立ちにくい所がとても気に入っています。
◯キッチン本体
・サイズ:幅2550×奥行き732×高さ860
(奥行きはモルタル腰掛部分82含む)
◯モルタル腰壁
・サイズ:高さ930
◯キッチンとカップボードの間の通路
・サイズ:940
カップボードは家具らしいデザインにしたかった為、全体を木で造作してもらい、天板のみステンレスにしました。このステンレスの厚みにはかなりコダワリがあり、とても薄いステンレスを加工していただきました。
カップボード上部のカウンター前面の角は、ステンレスを丸め込ませたくなかったので、木に埋め込んだような造りになるようにお願いして理想のカタチになりました。
引き出し部分には鍋敷きやランチョンマット、コースターやコーヒー・紅茶などのお茶セット、常用のグラスやカトラリーなどをそれぞれ収納しています。
下の扉部分には食器全般と調味料などをまとめて収納しています。
◯カップボード
・サイズ:幅2550×奥行き500×高さ860
・天板:バイブレーションステンレス /コグチ
・素材:ナラ無垢材/オスモ塗装
・ドア:ナラ練付合板(板目)/オスモ塗装
・ドアハンドル:原田金物 PF7ー96
・収納部分:AICA ポリ合板/ RKー6301
・引き出し:HAFELE GRASS/ノヴァプロクラシック
モルタル腰壁のメリット・デメリット
雑誌やサイトで見かけた無造作で作り込んでいない自然な雰囲気に惹かれ、ぜひ自分の家にもこんな雰囲気を取り入れたいと思ったのがキッカケとなり、モルタルをキッチンに採用したいと考え始めました。
モルタルと比べてモールテックスは耐久・耐水性に優れていると聞き、設計士さんや監督さんに採用できるか相談しましたが、モールテックスもヒビ割れが決して起きないとは言い切れないし、せっかくモルタルの雰囲気に惚れ込んだのなら土台からしっかり作り込んだ本物のモルタルを腰壁にしませんかと提案されました。
最初にデメリットとして、モルタルはヒビ割れが将来的に起こること、シミになりやすいことなどを伺いましたが、私はそれがかえって味になると嬉しいなと楽観的に考えています(笑)
そして私自身がキッチンを綺麗に保つ癖をつけたかったのと、キッチン側からの配膳をスムーズに行えるように、腰壁は高さを抑え開放感のある手元が見えるデザインでお願いしました。
実際にモルタルのキッチンを1年使ってみて、今のところヒビや欠けはない状態です。
耐水の塗装を施してもらったので水跳ねは気になりませんが、IH前の油跳ねには要注意です。やはり多少シミは付きましたが、モルタル自体がグレーなので正直全く気にならない程度です。
キッチン側の立ち上がり部分は、水跳ねによるシミやヒビ割れ防止の為にステンレスを長めに立ち上げており、これが耐水と耐久面でかなり強い味方になってくれているようです。
採用したキッチン設備
食洗機も大容量のモノを選びましたが、食器を手洗いすることも多いので、シンクは大きなタイプを採用しました。
ガスコンロかIHにするかで悩みましたが、五徳の掃除が得意ではなかったので思い切ってIHにしました。採用したモノはグリルはついていませんが、元々マンション住まいの時も月に1回使用する程度だったので、あまり重要視しませんでした。
本来グリルがつく部分が収納スペースになっているので、調理の際によく使うまな板や包丁、菜箸・ラップなどがサッと取り出せるので便利です。
IH下のオープンスペースにもフライパン・ボウル・バット・カップホルダーやミキサー等を収納出来るようにしました。
◯シンク
・シゲル工業 :JS15LーK FS/洗剤カゴ付き
・サイズ:828×410
◯水栓
・GROHE :ミンタJP369300/ヘッド引出しタイプ
◯食洗機
・Miele:G4920/SC i
◯IH
・MITSUBISHI:ユーロスタイル/CSーT34BFR
◯レンジフード
・sanwa company:ミニマル4560S/ペニンシュラ
ゾーニングでスッキリを保てるパントリー
パントリーはキッチンの延長として壁でゆるくゾーニングしてあります。
当初は完全に分離した部屋として考えていましたが、前回コラムでもお話しさせていただいたように、私の性格上、綺麗を保てるように敢えて扉などを付けずにオープンな空間にしました。
オープンなパントリーには冷蔵庫を置きました。ダイニング側からは見えない位置にありながら、いちいち扉を開けなくてもワンアクションで手の届く場所にあるのが最大のメリットで、キッチンが広く感じられるのも嬉しいポイントです。
可動出来る棚にはキッチン家電や調味料・お米や水などのストック食品の他に、ゴミ箱も収納出来るスペースを設けました。
パントリーには裏戸があり、採光や空気の入れ換えも容易に出来るので、匂いや湿気も籠らず快適です。
コダワリが強かったキッチンは、打ち合わせを何回も重ねて設計士さんのアドバイスを沢山いただきながら時間をかけて冷静に考えられたことで、今自分が思い描いていたキッチンに立つことができていると思います。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
モルタルの無骨さと木の温もりが素敵なキッチンは、前回コラムでもお話いただいた、”引き算の空間づくり”が随所に活かされていました。
壁が空いているとなんだか勿体ないような気がして、つい何か飾ってしまう私にとって、余白と余裕を大切にという言葉がすごく刺さりました。敢えて余白を空けておくことで、厳選して選んだインテリアをグッと引き立ててくれますね。
モルタルのデメリットを逆に経年変化として楽しみながら暮らしていく、そんな風に思える家づくりもとても素敵だな〜と思いました。
uuummさん、ありがとうございました!
(編集:megu)
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