"見せる"と"隠す"要素がインテリアを楽しくする。築35年中古マンションを部分リノベーション〜chizu_tt_homeさんのおうち探索!


ステンレスとグレーを組み合わせ落ち着いたキッチンと、柔らかな日差しが無垢の床を照らしゆったりと心地よい時間が流れていくリビング。


色使い、モノの組み合わせと絶妙なバランスに細かなこだわりが垣間見えます。


chizu_tt_home(以下、chizu)さんにお話を伺っていくと、完成されたインテリアの裏側には夢に見ていたリノベーションだからこそ、理想を追求し悩み、そして自分たちのスタイルを見つけていく様子が伝わってきました。


トントン拍子で決まった今の部屋


chizuさん

夫は20代の頃からリノベーションに関心があり"いつかリノベーションをしたい"と夢見ていたほど。それゆえ、マイホームは最初からリノベーション一択でした。


とはいえ、今住んでいる地域は子育て世帯に人気で、新築も中古もそれなりの価格帯であったため、老後に郊外へ引っ越して夢を叶えよう、そんな話を夫婦でしている程度でした。


そんな「遠い夢」だったリノベーションを現実のものとして考え始めたのは、 第2子妊娠中でした。 


その時住んでいた家が少し狭かったことに加え、赤ちゃんの性別が判明し、姉弟の性別が異なることがわかりました。将来こども部屋がそれぞれ必要になる、そう考えリノベーションを検討し始めました。


すんなり決まった今の部屋


なんとなく情報収集目的で申し込んだリノベーション説明会から購入に至るまで、約二ヶ月足らずでした。


まず地域ですが、娘の保育園のこともあり、当時住んでいた環境から引っ越す選択肢はありませんでした。共働きの我が家、"今の保育園に通える範囲"といった条件で絞り込んでいき、二ヶ月間で10件ほど内覧し、今の家に至ります。


先述した通り、子育て世帯に人気のエリア。新築中心で中古物件の数がまだ多くなく、加えて良い物件はスピーディーに売れていく、そんな状況も後押し、私たち夫婦も想定外の期間でトントン拍子に決まりました。


誠実な対応が信頼できたところ


施工会社は「BeatHouse」さんです。物件探しから設計、施工までワンストップで対応してくれる会社で、検討したのはBeatHouseさん1社のみ。


中古物件が少なくすぐに売れていく状況下で、物件を探している段階から「この物件は、この程度のリノベーションができて、 これはできない」など具体的な話ができたのは大きかったです。これはワンストップの対応ならではの魅力だったなと思います。


加えて、担当者さん、設計士さんの誠実な対応にも惹かれました。


大きな買い物ですから当然いろいろと情報を調べましたが、会社ごと特徴はあるものの、担当者さん次第で結果が変わってくるなと思うようになりました。


我が家の場合、内覧の時から細部まで丁寧に解説いただいたり、物腰柔らかく私たちの意見を尊重してくださりました。施行中もいくつか途中変更や再工事が発生しましたが、 誠意ある対応をしていただき、 結果的に大変満足しています。


ホッと一息つける雰囲気づくり


築年数は35年でしたが、リフォーム済みの物件(そのためトイレ、浴室はリノベーションしていません)であった点、コスト面、リノベーションしやすい構造であった点が決め手となりました。


いよいよ物件も決まり夢に見ていたリノベーションへと動くわけですが、私たちが設計段階で参考にしたのは下記の通り。


《SNSやインターネット》 

InstagramやPinterest、WEBの画像検索も駆使しましたが、中でもInstagramは#タグからおうちのアカウント等かなり参考にさせていただきました。


《雑誌/書籍》

・Relive/Lives

心地いいわが家のつくり方01インテリアの基本 

心地いいわが家のつくり方03リノベーションの基本

小さな家のリノベーション


その他にも近所のカフェやTVCMで良さそうな雰囲気があれば調べるなどして情報を集約し、初期は自作ノートをつくり、後半は情報量も増えたためデータで保存しながら整理していきました。


インテリアのテーマ


インテリアのテーマは「ダークな色味で、落ち着いたカフェのような雰囲気」。


無垢材のナチュラルな色味をベースにしつつ、アイアンの黒、植物の緑をアクセントに設計しました。天井のウッドパネルは夫の強い希望もあり採用し、柔らかい印象の中で黒のライティングレールが全体を引き締めています。


リビングの飾り棚は、 設計士さんの提案を採用しました。


飾り棚を上手に使いこなせるか不安でしたが、季節ごとに飾るモノを考えるのが楽しみの一つになりました。またこの飾り棚がLDKにある唯一の収納でもあるため、ティッシュなどの生活必需品も生活感を抑えて収納しています。


ダイニングのアクセントクロスは、キッチンのタイルとの統一感を考え色味を揃えたグレーにしました。


すっきり隠す、充実した収納も設計段階では考え、カップボードの延長線上に収納棚を設けようかなど、色々案を出しました。


しかし70平米のマンション。限られた空間だからこそ、LDKだけは圧迫感を減らし一息つける場所にしたくて、造作棚はスタディースペースのみと最小限にし、ライフスタイルの変化に応じて変えていこうと決めました。


ご覧の通りLDKの収納は少なめなのでスタディースペースの棚には書籍で埋まっています(笑)


この収納をあえて少なくした制限が、「見せる」と「隠す」のバランス大切に、そしてそれを楽しめる暮らしに一役買っています。


「落ち着いた大人な空間」ステンレスキッチン


LDKの中でも主役とも言えるキッチン。休日にキッチンを囲んでわいわい料理をする、そんな暮らしが夫婦の理想でした。


細長いキッチン・ダイニングの特徴をいかし、アイランドキッチンで横並びの配置を採用しダイニングとキッチンを自由に行き来できる設計にしました。この回遊動線は無駄な動きがなく家事もスムーズですし、食事を出したり片付けたりするにも距離が近くとても気に入っています。


デザインはグレーを使いワントーン落とした大人な雰囲気をイメージしていました。


そのイメージに合わせてキッチン選びを始めましたが、大手メーカーのシステムキッチンは明るい色味のモノが多く、ダーク色は最上位モデルとなり予算的に折り合いがつかず。


理想に近いキッチンをInstagramなどで探す中、素材はステンレスが第一候補となり、オーダーをお願いしたLAアーキテクツに辿り着きました。


大手メーカーと比較してリーズナルブで、天板の素材や食洗機、IH/ガスコンロなども選択できます。天板をグレーカラーの素材にしたことで落ち着いたダークなデザインになり、私たちのイメージにかなり近いモノに仕上がりました。


キッチン背面の色味にもこだわりました。


ステンレスキッチンとのバランスを考え、しっかりと主張できる濃いグレーを選択。タイルはマットな質感を選び光沢を抑え、さらに、グレーの目地でコントラストを弱めて落ち着いた雰囲気になるようにしました。


飾り棚はまだまだ手探り状態なのですが、 基本的に「ただ飾る」ためのモノは置かず、普段使いするお気に入りのモノを並べています。我が家のキッチンは、それほど広くなく収納もあまり豊富ではないので、 飾り棚も含めて、大事な収納スペースだと考えています。


背面収納のカップボードは、 ウッドワンを採用。当初、造作も検討しましたが、予算的に全てオープン棚になってしまうとのことで、共働きの我が家には管理のハードルが高く現実的ではありませんでした。


実生活での「暮らしやすさ」も、 我が家のリノベーションの大事な要素です。


カップボード部分は引き出しを中心とした「見せない(隠す)収納」にし、その代わりに上部の飾り棚は「見せる収納」を楽しむ。


リビング同様に"見せる"と"隠す"のバランスをとることで、共働きでも無理なく楽しめるインテリアを意識しました。


限られた空間で自分たち色を出す


自由設計に憧れたリノベーション。"オリジナリティ溢れる間取り"をイメージし、情報に触れれば触れるほどあれもこれもと思いつく。しかし70平米の中にはすべて詰め込むことはできません。


玄関の土間、広い廊下、大きいファミリークローゼット、本当に自分たち家族に必要か?暮らしの中でどう使うのか?頭を悩ませる日々が続きました。


全体の間取りが着々と決まっていく中でどうしても諦めがつかず、一度間取りを白紙にして"自分たちなりの何"かを考えました。


そこで浮かんだのが、「スケルトンの寝室」でした。


当初は壁にする予定だった部分を全面ガラスの引き戸にしたことで、 開けると廊下と部屋が一体になり開放感がうまれます。また、閉めた状態でもガラスなので圧迫感が少なく、細長い部屋のデメリットも解消してくれました。


寝室の窓からの日差しがガラスを通じて廊下や玄関まで届くため、マンション特有の「暗くて細長い廊下」もありません。


私たちにとってこの「スケルトン寝室」はかなりの冒険だったので、自分たちが思い描いた通りになるのか完成までドキドキしていましたが、結果的に想像以上の仕上がりとなり、"オリジナリティある間取り"が実現できた思います。


ちなみにこの部屋は、将来家具で仕切ってこどもたちの部屋にする予定です。スケルトンを嫌がるかもしれませんが、その時はシートを貼るなど対応すれば良いかなと考えています。


工夫次第で暮らしやすい空間に


もともとリフォームされていた物件でしたのでトイレと浴室はほとんど手を加えていません。それが予算上もメリットになり大変助かりました。


そのため、洗面周りを丸っとリノベーションとはいかず、既存の水回りにどう快適な生活空間をプラスするのか悩みました。


特に洗面脱衣所に大きな面積を割くのが難しく、収納量を確保するのが困難でした。そこで隣接するウォークインクローゼットの壁を取り壊しドアを設置しました。


浴室、洗面脱衣所、WCが直線上につながり収納が便利になっただけでなく、洗濯に関しても時短になりました。


マンションは戸建と違い、大きなランドリールームや、 専用のファミリークローゼットなどを確保するのは難しい場合が多いかと思います。我が家では、WCがある部屋 (玄関入ってすぐの部屋)を 「ファミリークローゼット」と位置付けて、家族の洋服やバッグをまとめて収納しています。


制限があるからこそ「専用」ではなく「共有」にする工夫を加えるだけで暮らしやすい空間づくりができると思っています。


"好き"の連鎖が心地よい場所へ


現在育休中ですが4月から職場へ復帰予定です。平日は毎日慌ただしく過ごす中、あまり「見せる」部分が多いと乱れが目立ち気分もあがりません。反対に全てしまいこめば一見すっきりしたように見えますが、私たちにとって心地よい空間ではありません。


理想としているのは住んでいる人の"好き"や"大切さ"が伝わってくる、そんな場所です。


飾り棚や空いたスペースを使いながら適度に「見せる収納」を楽しんだり、娘が描いた絵を飾ったりしつつ、日々の暮らしを楽しんでいきたいと思っています。


インテリアはまだまだ試行錯誤状態でもあります。特にリビングは、私たち夫婦の好みからするとちょっと殺風景だなと感じているので、これから少しずつ自分たちの好きなモノを飾っていくのが楽しみです。


リノベーションをしてみて、 夫も私も思った以上にインテリアが好きだったと再確認しました。「インテリアを楽しむ」という要素が毎日の生活に加わり、暮らしが豊かになったと感じています。


マンション情報

・面積:70㎡

・築35年

・全面リフォーム済み物件


《リノベーション情報》

・トイレ本体、浴室と1部屋を除いた部分をリノベーション

・3DKを2LDKに変更


《キッチン》

・アイランドキッチン:LAアーキテクツ

・カップボード:ウッドワン(パイン)

・キッチンタイル:リビエア・ニューヨーカー


《リビング・ダイニング》

・アクセントクロス:ルノン (RF-6319)

・無垢フローリング:北海道産ナラ材(節あり)

*寝室・廊下も同様

・ドア:パナソニック/ベリティス(ブラックオーク)


《寝室》

・3連引き戸:リクシル・ラサッシ


《洗面脱衣所》

・洗面台タイル:名古屋モザイク/クラルテ(CLA-400)

・洗面ボウル:カクダイ(493-003)



お子様が増え手狭になる、これはマイホームを検討するきっかけとしてはよくありますが、二ヶ月で物件を決め設計もスタートするスピード感はなかなかのものです。


想像はしていたけれど、いざ始まってみるとトントン拍子で進みすぎて、自分たちの理想に近づいているのか、そしてそれが正解なのか、悩まれている様子が印象的でした。


chizuさんも書かれている通り正解はなくライフスタイルの変化に応じていけるのが良いと思いますが、設計当時はそうも思えません。大きな買い物ですし、気持ちもよくわかります。そして悩んだ末に採用したスケルトンの寝室。とっても素敵ですね!


ご夫婦で納得感ある家づくりが伝わってきて、"心地よい"とはまさにこういったことだなぁと編集しながら、こちらも幸せな気持ちになりました。

(編集:編集長)


specialthanks

@chizu_tt_home


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