「延床面積34坪にLDK28畳」理想と現実、たどり着いた3つのポイント〜インテリアを仕事にしていた私の暮らす家(tn.h.mさん)


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「暮らしのインテリア」ではすてきなお家やインテリア・整理・収納・お掃除を体現されてる方にフォーカスし、普段インスタグラムでは発信しきれない実体験をコラム形式で配信していきます。


注文住宅、マンション、アパートなどそれぞれ暮らしの中にインテリアがあり、背景には共感する点も沢山あると思います。そんな素敵な暮らしをお届けしていきます。


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理想の間取りは足し引きが決め手


執筆者:tn.h.m(mie)さん


設計事務所さんとの出会いから家づくりのスタートまで前回のコラムでご紹介しましたが、今回は間取りのプランニングについてお話したいと思います。


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現状の不満と理想の暮らし方


設計事務所との打ち合わせで「どんな暮らしをしたいか」を書き出して欲しいと課題を与えられました。そこで、まずは夫婦の中で現状の不満と新居への要望を整理していきました。


夫は地方の大きい家で育ち、体格も人一倍大柄なため、とにかくどこもかしこも大きさを重視。そして大のNBAオタクで、新居では大きなテレビ画面でNBAを観るのを楽しみにしていました。


私が希望したのは、お気に入りのカフェやレストランに共通していた「外観は閉鎖的な箱で、内装は天井が高く窓の大きい開放的な空間」でした。


またアパート暮らしを通じて、ワンフロアならではの生活動線の良さは感じつつも、収納容量が少なく部屋にモノが溢れてしまう点にストレスを感じていました。加えて、使用頻度の高い水回りが狭く、家事をするのが億劫になったり、部屋の向きが悪くて、夏暑く冬寒いといった不満がありました。


最終的に項目を整理すると以下の通りになりました。


・大きなソファと大きなテレビでスポーツ観戦や映画鑑賞がしたい

・カウンターがあり、広い作業台とシンクのあるオープンキッチン

・天井の高い開放的なリビング

・庭を眺めながら大きなお風呂にゆっくり浸かりたい

・寝る以外は全て1階で完結させたい

・無理無駄の無い生活導線

・使う場所で収納できて取り出しやすく仕舞いやすい、余裕のある収納

・夏涼しく冬暖かい家


プランニングで優先した3つのポイント


夫婦で相談しながら整理した条件も決して少なくない中プランニングがスタートしました。打ち合わせを重ねていくと、どうしても同時に叶えられない要件がでてきます。


例えば、LDKは30畳を希望していましたが、同時に生活動線をワンフロアにまとめ、ランドリールームとファミリークローゼットも1階にしたかったのです。しかしそれは、LDKの大きさを削らないと実現できませんので、ものすごく悩み、何度もプランを作っては直す、無限ループにはまったほど(笑)


理想からより具体的な暮らしをイメージしながら、試行錯誤を繰り返して3つのポイントに辿り着きました。


1.明るくて開放的なLDK


LDKは死角の無い長方形で約28畳、キッチンとカウンターテーブルを横並びにして無駄なスペースを省きました。


パントリーを個別で設置するとLDKの面積を削ってしまうので、オープンで収納容量もあるキッチンバックセットを設置することに。リビングは吹き抜けの勾配天井にし、リビング階段と南側の大開口とテラスでより空間を広く開放的にしました。


しかし、南側にこれだけ窓があると夏暑くなるのでは?と思い、庇やベランダで夏場の高度の高い太陽光を遮るように工夫しました。 冬は太陽高度が低いためしっかり日差しが届いて暖かい家になりました。


2.動線重視のバックヤード


キッチンから直接アクセスできる位置に、ファミリークローゼットとトイレ、洗面所、バスルームを横並びにして家事動線を良くしました。


ランドリールームを作ってしまうとLDKを削る必要があり、洗面所と一つにしてゆったりした空間に。またお風呂は南側の庭に面した位置で、広めの1.25坪タイプになりました。


3.廊下を極力減らしてみた

先述しているとおり、優先度が高かったのはLDKの広さ。どうしても譲れない。ただ、我が家は延床面積34坪の3LDK。決して広いと言えない中で、LDKを28畳にするために玄関ホールと廊下、階段下を削りました。


玄関土間とシューズクロークは広く取りつつ、人が行き来するだけの廊下を徹底的になくした結果、玄関土間からいきなりLDKに繋がっています(笑)


それでも写真のようにキッチン横の壁が仕切りの役割を果たし、また玄関土間に奥行きを出して、LDKが丸見えにならないように工夫しました。


お話してきましたように、まずは現状の課題と理想を夫婦でできるだけピックアップし、必要条件に落とし込む。続いて設計上なし得ない事象もでてくるので、より具体的に優先度を決めていく。最後は理想までどれだけ粘れるかで大きく変わってくるかなと思います。


こうして間取りプランニングは完成していきました。次回はインテリアデザインについても詳しくご紹介したいと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました。



理想と現実の葛藤、共感します。そしてこれをどこまで繰り返し諦めずできるか。ポイントは最初の条件出しなのかなと思います。そこで出し切れると、あとは削るだけ。それがまた難しいのですが(笑)


編集してて意外だったのは広さ。写真を拝見する限りもっと広い印象を持っていました。LDKだけ28畳と聞くと「広い!」の一言で終わりそうですが、延床面積34坪(約61畳)と考えると工夫が詰まっていますよね。


最初の条件にあったように、各所にしっかり収納を設置したいと考えていた通り、無駄のない設計も想像でき、次回以降のコラムも楽しみです。


mieさん、ありがとうございました^^

(編集:編集長)


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