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「暮らしのインテリア」ではすてきなお家やインテリア・整理・収納・お掃除を体現されてる方にフォーカスし、普段インスタグラムでは発信しきれない実体験をコラム形式で配信していきます。
注文住宅、マンション、アパートなどそれぞれ暮らしの中にインテリアがあり、背景には共感する点も沢山あると思います。そんな素敵な暮らしをお届けしていきます。
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自分らしさや感覚を大切に。使い勝手にもこだわった玄関とは
リフォーム前の問題点
我が家の玄関は北西の位置にあり、道を挟んだお向かいの家と丁度ぴったり玄関の位置が向かい合わせ。ドアを開けるタイミングが同じになると、家の中が丸見えになっていました。
玄関ドアは重い開き戸。開いたままの状態でピタリと止まる機能が無かったために、何度ドアにかかとを挟まれけがしたかわからないくらいでした。
また夏になると、玄関ドアを開けたままにできればどんなに家の中へ爽やかな風を通せるだろうと思っていましたが、ドアが止まる機能もない上に虫が入るのも恐れて開けられませんでした。
そして一番の問題点。それは土間スペースの狭さでした。
若い頃にこの家を建てた時には、靴を脱ぐだけの機能しか求めていませんでした。その後、年老いていく両親についてや当時6人家族の靴置き場なんて考えもせず、大きめのシューズボックスを買うくらいしか思いつきませんでした。
「一人何足靴があり、合計何足の靴を収納しなければならないのか」
今、新築を考えている方々はちゃんと構想があると思いますが、30年前の私たちには考えが及ばなかった点でした。
靴以外にも玄関に収納したいものってたくさんありますよね。傘やスポーツ用品、レジャー用品などの置き場所も、全く存在しませんでした。
狭い玄関で収納以外には何がストレスだったのか。
お客様やお友達がいらしたとき、土間に余裕がなかったために「中へどうぞ」とか「どうぞお上がりください」と、笑顔で接することができませんでした。
実際に招き入れる時も、お客様が一人ずつ靴を脱ぎながら順番に入っていただくような、そんな狭い玄関スペース。私の口癖は「狭くてごめんなさいね」でした。
リフォームプラン。「増築」を考えてみる
リフォーム前の問題点から、設計士さんにとにかく余裕のある玄関に変えたい、そして玄関ドアは引き戸にして網戸を付けてほしいとお願いしました。
そのためにまず考えたのは玄関部分の増築でした。玄関の内側のスペースを確保するのはもちろん、増築により外から家に入る部分を劇的に変えて、家の印象を全く違うものにしたいという願いからでした。
増築部分の外壁や入り口部分の位置、玄関に続くアプローチまで。とにかく今までのストレスを全て払拭したかったんだと思います。
しかし、この部分の増築をするにはかなり費用がかさみ、玄関以外にかける費用が不足しました。増築は別の部分でも考えていたのですが、そちらも費用の面であきらめました。
増築しない選択で、できること
増築をしない選択をした我が家。玄関を広げるためには、内部の間取りを大きく見直す必要がありました。この玄関部分へのこだわりから、現在の1階全体の間取りを全く変えてしまうという選択に行き着いたのです。
1階には義母の部屋である和室とその続き間が21畳程度と、私たちが使っていた18畳のLDKがあり、これを全て入れ替える全面リフォームでした。
私は玄関土間をとにかく広く取りたいのと、リビングとつなげたいという希望がありました。しかしながら玄関を広くすると当然居住空間は狭くなります。
他にも義母が私たちのいるリビングを通らなければ自室に行けない設計は避けなければならないと考えました。
また上がり框を最大限に広げるためにL字にし、もともと160cmほどだった横幅を90cm広げて250cmほどに。玄関の幅は元の約1.5倍に、玄関土間の面積は元の約2倍になりました。
この上がり框の一部には外せない柱が1本あり、この柱を活かして緩やかな階段を付けました。
手すりも造作で病院のような幅広のものを付けていただき、身体が不自由な義母にも優しい空間を確保しました。
柱にはブラックの塗り壁風壁紙を。 最初は木のままにしようかと思ったのですが、角が危ないのと必ず手を付くところになるので、汚れを目立たせないように・・・と考えて決めました。
結果、扉とほぼ同じ色なので浮いたりもぜず、私の中ではしっくりきました。
リフォームしていない2階への階段をどうするか
玄関を入ると、今回全くリフォームをしていない2階へと続く階段があります。施工段階でこの階段が丸見えになる様子が想像でき、設計の方へ扉を付けたいと申し出ました。
最初勧められたのはすりガラスのような半透明の扉でしたが、階段の色が透けるのさえ見せたくないと考え、体育館の扉のような黒い引き戸を選択しました。
採用したのは、LIXILラシッサD ヴィンティア。カラーはチャコールブラックで取手はアイアンブラックです。
階段の下に扉があると上り下りに支障が出そうですが、実際には全く不便ではありません。リフォームをした部分としていない部分のテイストが変わる時に、とてもお勧めの方法です。
ちょっと変わっているのが好きだから
さて、私が一貫して今回のリフォームでこだわっているところ、それは「魅せる」こと。
どこのカフェか忘れましたが、足場板の古木を使って棚を作ってありました。その記憶があったので何年も前から家をリフォームする時には靴棚の板は古木で作ろうと決めていました。
古木を使うと、汚れた靴でも心置きなくのせられます。
180cmの古木を3枚、設計の方が用意してくださいました。「この古い板をどうするんだ?」 大工さんの驚きを今でも覚えています。
おかしいでしょうか・・・の問いに、「最近、同じような家ばかりだからちょっと変わってる方がおもしろい」と。そうなんです!大工さん、うちちょっと変わってますよね。そんな家を目指しているのです。
思い出のある靴棚には、靴よりも陶芸で作った雑貨やドライフラワーをディスプレイ。あまり多く飾り過ぎるのではなく、余白も大事にして。余白の部分も古木ゆえの味わいがあります。
棚上の照明はオーデリックのもの。私の頭の中で足場板の古木とこの照明を組み合わせるのがイメージできていて、その中から選んだので全く迷わず即決でした。
たぶん照明もどこかで見て覚えていたのだと思います。今回、すべての設備やツールが、私の頭の中のイメージに合ったものを見つけるという手法で出来あがりました。時にはイラストを交えながら・・・。
エントランスにも自分らしさを
玄関引き戸を開けると、外のエントランスは目隠しの横板を貼っています。
陶芸を始めた頃から作っている数字やアルファベットのプレートがあり、これをコンクリートに埋めてエントランス部分に使ってみました。
配置まで自分で考え並べさせていただいたので、より愛着のわくエントランスに。小さなことですが、自分らしい表現ができました。
駐車場の壁にひと工夫
駐車場の壁をセルフリフォームして、かなり傷んでいたブロック塀にモルタルを塗って。初めてのコテ使いで何とも言えない味が出てしまいました(笑)
フォーカルポイントに自作の陶器のプレートを。これだけで景色が全く変わりました。
ちなみに下の写真は乾かしている様子。乾く前は色合いが少し違います。
つながりを感じるタイル
土間に出しておく靴は、現在履いている靴のみ。後は、納戸に片付けるように徹底しています。
もともとは玄関土間をタイルではなくモルタルにして、前述しましたナンバープレートも室内の土間に使いたかったのですが、掃除の面などを考えてタイルに。
ナンバープレートが外のエントランスでいい感じに仕上がったので、それを見ると室内に使ってみたかった気持ちも少しあります。
玄関の中から外のエントランス部分にかけて、狭いながらも同じグレーのタイルで統一感を出しました。目地も濃いグレーを使っていただいたので、落ち着いた雰囲気に。使ったタイルはLIXILのフォスキー300角です。
玄関の引き戸を開けると、気持ちのいい空気がすっと流れこんできます。網戸を通る風を感じ、親戚や近所の方が玄関で座って世間話をしている姿を見ると、心からほのぼのします。
目指していた空間がそこにありました。
手作りのものが上手に組み合わされた、雰囲気のある玄関まわりでした。ナンバープレートを自分で配置できた、「自由」に選べるものがある嬉しさに共感します。
足場板や照明など、happaさんの頭の中のイメージに合ったものを見つけるという手法で出来あがった方法や表現もおもしろいですね。
思わず大工さんと同じ「おもしろい」と言う言葉を選んでいて、それはやっぱり「ちょっと変わっている、そんな家を目指している」とおっしゃるhappaさんのおうちの根っこにあるものだからかなと思いました。
もちろんおもしろいだけではなく、同居されているご主人のお母様の安全面や使い勝手にも充分に配慮されていて。使う人みんなを優しく迎え入れてくれる納得の玄関になっていますよね。
目指していた空間がそこにあるって思えるなんて素敵です。
happaさん、ありがとうございました!
(編集:kaori)
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