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キレイにまとめすぎず、全体のバランスにこだわって
執筆者:tamaco(@mattam_interior) さん
間取りについてどのように考えたのかをお話した前回のコラムに続き、今回は素材の選定や細部のデザインについてお話いたします。
tamacoさんの前回までのコラムはこちら
元々持っていたものと合う好みの雰囲気に
ソファやテーブル等の大きな家具や、インテリアの要になるペンダントライトは家を建てる前から元々持っていたものでした。
新築の家に合わせて買い替える方法もありますが、我が家の場合は家具に合わせて家をつくると決めていたため、持っている家具からインテリアのイメージを膨らませていきました。
家具に合わせて建築をつくっていくと、住んでからの暮らしの想像がしやすく、我が家の場合はとても進めやすかったのを覚えています。
私はリノベーションの既存の質感と新しくやり替えた質感のMIXした感じや、DIYで自作したモノを置いているようなラフで素朴な感じが好きです。
持っていた家具もそういった雰囲気の空間に合うなぁと思っていたこと、また、ちょっとぽてっとした雑貨やアートピースが好みだったのもあり、キレイめというより素朴で女子力低め、ちょっと力を抜いたような雰囲気にしたいと思っていました。
新築だけどキレイにまとめすぎないことに重点を置いて、内装の素材やディテール、全体のバランスにこだわりました。
古びても良い味がでてくる素材を使う
内装の素材は無垢材やスチール、真鍮など、古びても良い味がでてくるものを使うようにしました。
毎日手を触れるスイッチやレバーハンドルは、友人が手掛けたブランドMATUREWARE by FUTAGAMIの真鍮のトグルスイッチを採用しました。
新品のピカピカも良かったけれど、5年経っていい風に熟成されたこの感じも好きです。
床は節や虎斑模様のある自然な色柄をそのまま生かした、少し幅広のナラの無垢フローリングにしました。
季節によって木が伸縮しちょっと反ったりもしますが、足ざわりが良くて裸足でも心地が良いところも気に入っています。猫の爪の痕等はついているものの、間近でよく見ないと気が付きません。
取手やバーなどには無塗装のスチールを採用しました。ざらっと錆が少しでて熟成されてきています。
ラフでゆるい表情を持つものに惹かれて
新築の新品でキレイな感じをちょっと崩したかったので、一部下地材を仕上げに使いました。
壁や造作家具にはラワン合板を選びました。
キレイになりすぎないようにあえてパテの痕が残っているラフな質感のものに。猫の爪痕がついたりしても悪目立ちせず、付いた傷が自然に馴染んでいます。
床の一部はモルタルで仕上げました。モルタルのピリピリとしたひび割れのように、人工的につくれない模様が好きです。
このモルタルは表面の仕上げのもので基礎とは別であるため、構造的に問題がある訳ではありません。施工後、素材の水分が抜けて仕上げのモルタルが縮んでできるものです。
最初の頃は早く割れてこないかなと思っていました。現在はいい感じにひび割れが入って、映えます。
階段のササラ部分のスチールはわざと溶接のムニムニが見えるように、また踏段を留めているビスも黒く塗ったり皿ビスにはせず、わざとDIYっぽくちょっと粗めな感じにしてもらいました。
手摺もあまりスッキリさせず、縦に細かく入れて絶妙な存在感をもたせています。
ピッチはクイックルワイパーが間にはいるように設計しました。それがちょうど猫が顔を出すのにいい幅になっています。
背景だと思ってシンプルに仕上げる
お金があればもっともっとやりたいことはありましたが、限りある予算の範囲内におさめたかったのもあり、ケチった部分は背景に徹してもらい、存在感を消すべく「どシンプル」に仕上げています。
こだわったところや予算をかけたところを引き立たせて邪魔をしないように、余計な主張をしないよう気を付けて選びました。
人によって多少違いがでる部分ですが、私の場合は、背景に徹する=白にすることでした。 洋服で例えると、この先毎日着なければいけない服を1着決めろと言われたら白シャツを選びます。
趣味が多少変わっても何にでも合わせやすく、飽きの来ないもの=シンプルな白にしておけば暮らし始めて年月が経っても飽きが来ることはないのかなと思います。
そうやって選んだ白いモノが実は家の大半を占めています。
キッチンや洗面のタイルは一番シンプルで安価な白の二丁掛にしました。当時はまだちょっと珍しかったのですが、タイルの目地は掃除がめんどくさそうと思って黒色を採用しました。
これは正解だったと思います。住んでから一度も目地の手入れをしていませんが何も気になりません。
白い壁はすべてクロスで、一番ペタッとした模様の少ないものを採用しています。
白い壁の中にある建具は白色で主張しないように、取手はタイル目地と同じく掃除の面で黒色に。白い建具は既製品を採用しコストの調整をしました。
家の大半は白でつくっていますが、我が家の印象は白い家ではないと思います。
こだわった部分の素材や質感、細部のディテール、置いてある家具や雑貨が映えて、白は特に主張もせず背景に徹してくれています。
家はあくまでも暮らすための外側の箱であって、家だけでインテリアは完結できません。
暮らしはじめて家の中にいろいろなものを置いた時、住む人にとってちょうど良くなるように建物完成時はちょっと味気ないかな?ぐらいが、後々インテリアを楽しみながら暮らすのにいいと思います。
今回は以上です。これから家づくりをされる方にとって少しでも参考になれば幸いです。
次回のコラムでは、インテリアの部分に触れていきたいと思っております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回も大変興味深いお話でした。
「力の抜けた、ラフに、キレイにまとめずぎない」これらは、新築で家を建てる方の口からあまり聞く言葉ではありませんよね。
自分に置き換えても、自宅を建てて数年たつ今なら理解できるのですが、その最中はとにかく必死でキッチリスッキリキレイに建てることしか頭にありませんでした。
この辺り、tamacoさんの趣味やセンス、そしてご職業も大きく影響しているように感じました。
こだわるところはこだわり、削るところは削る。これも家を建てる時に多くの人が考えることですが、tamacoさんはその線引きが見事なまでに潔いなと思いました。
「背景だと思って白く仕上げる」「大半は白でつくっているけれど印象は白い家ではない」この2つの言葉は、写真を一緒に見て読んでいるとストンと入ってきて、とても印象に残りました。
tamacoさん、今回もありがとうございました♪
(編集:kaori)
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