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「暮らしのインテリア」ではすてきなお家やインテリア、整理・収納、お掃除を体現されてる方にフォーカスし、普段インスタグラムでは発信しきれない実体験をコラム形式で配信していきます。
注文住宅、マンション、アパートなどそれぞれ暮らしの中にインテリアがあり、背景には共感する点も沢山あると思います。そんな素敵な暮らしをお届けしていきます。
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等身大の自分に向き合い受け入れる
前回コラムでは我が家の間取りがどのようにしてまとまっていったかについてお話しました。
最近は様々なご質問をインスタグラムで頂戴しており、マテリアル(床材)の材質やカラーなどのセレクトで迷われている方が本当に多いと感じています。
そこで今回は家全体のインテリアイメージを決めた過程についてお話したいと思います。
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家のトータルイメージを決める
家づくりを始めた当初、私はウォールナットやチークといった色の濃い木材をふんだんに使ったインテリアに憧れていました。
コスト的に高く付くのは重々承知していましたが、フリーダムアーキテクツのローコスト住宅の施工事例の中にもウォールナットやチークを使ったモノがあったので、ぜひ我が家もそうしたいと思っている旨をあらかじめ設計士さんには伝えていました。
しかし設計士さんから提案していただいたモノは自分の思い描いていたイメージとあまりに違っており、一瞬パニックになるほど驚きました(笑)その時に見せていただいたのが現在の我が家のインテリアの原案となったサタデーズサーフニューヨークシティというショップの写真でした。
そこにはモルタルのカウンターやホワイトウッドの床に鉄骨のスケルトン階段が映っており、とてもハイセンスで素敵なのは伝わってきたのですが、私が希望していた家のイメージとは全く別のモノでした。
正直に言うと、事前に自分の好きなテイストを伝えてあったにも関わらず、イメージと全く違った提案に少しがっかりしたのを覚えています。私はその提案を見て、設計士さんはコストを抑えさせたいのだろうなと思いました。
しかしプロの設計士さんがなぜこういった提案をしてくださったのか、素材コストの他に何か理由があるのであれば聞いてみたいと思いお話を聞いてみると、私が希望するようなインテリアのイメージで素材もチークやウォールナットなどを採用するのであれば、それに合わせて家具もそれなりのお値段のものを揃えないとインテリアのバランスを崩してしまいやすく、コストも嵩むというお話でした。
そして何より重要なのは私達家族と触れ合って感じたライフイメージが希望したインテリアと合致しないと感じ、私の趣味や服装などから汲み取った隠れた本当のニーズは、もっとカジュアルなモノにあるのではないかと思ったことを正直に話して下さいました。
それを聞いて、設計士さんが自分のイメージしていたインテリアとは違う提案をしてきたのにはコスト面だけでなく全く別の意図があったのだと気付き、私達家族をよく観察して考えて下さっていることに感動しました。
考えてみれば確かにその通りで、私は本当の自分の好みよりも背伸びをし、取り繕おうとしているだけだったのかもしれません。予算に限りがある家づくりに於いてまず大切なのは、等身大の自分と向き合い・受け入れる事が重要だと私は思っています。
このような経緯を経て、間取りの時と同様に迷うことなく設計士さんの提案を受け入れることができたのです。
イメージに沿うモノだけを
1度物事を受け入れると決めたら次に重要なのは徹底的に信頼し、ブレない気持ちを持つ事だと思います。
これ!と決まったら方向性の邪魔になる情報は頭に入れたくなかったので、サタデーズ以外のイメージには一切目を通しませんでした。
自分の記憶の中にある好みのパーツから組み込んでも合いそうなアイテムを足していくという方法で、破綻すること無くオリジナリティのあるインテリアにまとめることに集中できました。
サタデーズは鉄筋コンクリート造りですが我が家は木造といったように、そもそも全部を真似することは出来ません。
木造ではコンクリートで配管むき出しの天井や壁の格好良さは再現しようとするとフェイクになってしまうので、モルタルのカウンターをそのままキッチン腰壁として採用することをベースにオリジナル要素と利便性でLDK全体のインテリアを考えていきました。
壁全面の背面収納のアイデアは実は妻の実家からヒントを得ました。実家はウォールナットで重厚感のある収納扉になっていますが、我が家は全てつや消しのホワイトにして爽やかさを狙い、黒い取手で格好良さを演出しました。
天井はたまたま見かけたとあるハウスメーカーの写真の中に、リビングにダークブラウンのクロスを貼っているのがとても格好良く見えたことから、我が家は黒いクロスを選びました。
敢えて下げ天井にしたのは、面ではなく立体物として魅せることで単調に見えがちなクロス張りを補完出来るのではないかと考えたのと、カフェだけでなくラウンジっぽいテイストも注入できるかもしれないという想いからでした。部屋が少し暗く感じるのが懸念材料でしたがそこは格好良さ優先です。
無垢の床材はサタデーズの写真のイメージから黄色味があって古材っぽいものが良いと思い、大名古屋ビルヂングにある興亜通商・無垢plusに足を運んでその旨伝えたところ、3つほどの候補を出して頂き、その中から一目惚れした鋸挽オークのオイル塗装を採用しました。その名のとおり鋸引き跡を完全には消さずに節には黒いパテを埋めてあり、黒い天井との相性もバッチリでした。
サタデーズにはベンチなど大きめな無垢材の要素があるのが印象的でしたが、我が家は床だけだと無垢の要素が全体的に少なかったことからバランスを考え、キッチン横の壁に床に使用した無垢材をそのまま貼り、アクセントになることを期待しました。
壁をカウンターより少し出っ張らせることで、存在感抜群の大きな木の柱のように見えます。
水周りやコンロ周りの壁に無垢材は水跳ねや防火の観点で使用する方が少ないかとは思いますが、幸い我が家はIHを採用したので火の心配は要らず、無垢材はオイル塗装なので油跳ねした際のお手入れも水拭き程度で良いところが採用して良かった点です。
リビングフロアはタジマのモルタライク塩ビタイルです。これは思い描いたイメージにピッタリで、尚かつコストも抑えられると設計士さんに提案いただいたモノをそのまま採用しました。
そこで悩んだのはモルタライク塩ビタイルを使う面積でした。
少しでも無垢の面積を増やしたかった私と、モルタライクと無垢をうまくミックスした方がいいと言う設計士さんの意見との狭間で悩みましたが、モルタライクな床が階段下を通って真っ直ぐ向こうの壁まで伸びていた方が、階段をオブジェのように演出できて格好良いという設計士さんの提案を信じて採用しました。
テレビ側の壁の下だけ少し無垢材にしているのも設計士さんの提案でとても気に入っています。
もし設計士さんの提案を受け入れずに、当初自分が思い描いた方向に走っていたら予算と理想のバランスが取れずにずっと大変な打ち合わせになっていたかもしれないし、色々なイメージの良いとこ取りをしようとあれもこれも参考にしていたら、インテリアのバランスは破綻していたかもしれません。
設計士さんとの出会いは運だと思います。しかしその運を活かせるかどうかはその人次第なのではないでしょうか。決して鵜呑みにするのではなく、自分と設計士さんがやりたいことを上手にリンクさせることで、円滑で充実したお家づくりになるのではないかと私は思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
noboさんインテリアまとめ
◯壁面収納扉材
・メーカー:パナソニック
◯キッチン天井クロス
・メーカー:サンゲツ
・型番:SP−3290
◯LDK床材
・メーカー:興亜通商
・型番:FS0KR−900/鋸挽オークオイル塗装
◯リビングフロア床材
・メーカー:タジマ(販売はサンワカンパニー)
家づくりに於いてトータルイメージを持つのはとても大事だと思います。全体が見えていないと好きなモノやコトをつい欲張ってしまいがちですよね。
信頼出来る設計士さんとの関係性を築けたことで、自分が思いもしなかった方向へ向かっていったnoboさんの家づくり。まさか最初は全く違ったイメージを持っていたなんてびっくりです!
設計士さんの提案を鵜呑みにせず自分が良いと思えたから信じてみる。そういった納得感を持てたからこそ、設計士さんのプロのアイデアとうまく融合した素敵な家になっていったのでしょうね〜。
家づくりはライフスタイルや自分達の生活に何が本当に必要なのかをよく考え、憧れだけでなくニーズに合ったものを取捨選択する事が大事ですね。
時には自分の世界観にないものに飛びついてみるのも良いかもしれません♪
noboさんありがとうございました!
(編集:megu)
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