【暮らしのインテリア】雪国でも大きな空間で暖かく快適に暮らす工夫〜自然や季節を感じられる家(srms_houseさん)

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イメージを膨らませ設計時にプランニングする暖かい暮らし


執筆者:めぐみ(@srms_house )さん


我が家に来られるお客様やInstagramでもよく「北海道なのに大きな窓をつけていて寒くないのでしょうか?」「雪国での吹抜けリビング、土間は寒くありませんか?」 といったご質問をいただきます。


ズバリ、冬でも寒くないんです! そこで今回は大開口の窓でも吹抜けや土間を設けていても、暖かく暮らせる工夫についてお話したいと思います。


めぐみさんの前回までのコラムはこちら


窓がもたらす景色と断熱構造の重要性


裏山の景観を多く取り入れるために開放的な空間を求め、リビングやダイニング、吹抜け部分や寝室に大きな窓を設けました。


以前より景色をしっかりと望めるような大きな窓に憧れていましたが、北海道という土地柄、冬の寒さに対する心配もやはりあったので、主人(設計者)から窓の構造や建物の気密性についての説明をしてもらうことで寒さに対する不安を解消していきました。


採用したサッシや窓はハウスメーカーオリジナルのもので、業界内では高水準と言われている高断熱の樹脂複合サッシと、窓はトリプルガラスで断熱性を高めるアルゴンガスが入っていることを知りました。


断熱構造はしっかりしていることを理解しつつも、「それなら大丈夫なのかな?でも住んでみないと実際のところはわからないな。」と思いながら現在二回目の冬を迎えました。


“窓が大きい=寒い”とイメージされがちですが、大きくても窓からの冷気を感じたりすることはほとんど無く、結露もしませんしサッシからの冷気も感じません。暮らしてみて改めて窓の断熱性や建物の気密性の大切さを実感しています。 


足下から感じるぬくもり


暖かく過ごすには断熱や気密性の他に、暖房設備や暮らし方も大切だと思います。


1階の主暖房は床暖房にしました。採用した理由は3つ


1.冷え性なので足下が暖かい暖房を希望していた

2.暖房器具が見えないので空間がすっきり見える点

3.家づくり当初から床での暮らしをイメージしていた


床暖房は私たちの目指す暮らしに最適な暖房設備でした。


我が家は温水式を採用したので、一般的に電気式よりも無垢材の床を傷めにくいと言われています。また、床暖房対応の無垢材を使用したことで乾燥によるトラブル等は今のところありません。


お手入れは一般的な無垢床の手入れのみで、汚れが気になったときにフローリング洗剤を使って水拭きをしたり、数ヶ月に一度ワックス兼クリーナーを使用し汚れ落としと塗装をリフレッシュさせたりしています。


家具やインテリアの計画をした際に“柔軟性のあるどこかほっこり落ちつく空間”をイメージし、かっちりとしたソファーは置かずにクッションソファーとちゃぶ台を置いて床から近いところで生活したいなと思っていました。


冬の朝、起きて来た時に足下が暖かいのはとても幸せです。床に置いてあるクッションソファーが温まっているので、息子が床とその間に挟まってぬくぬくしているところを見て、床暖房の良さや暖かさを実感しています。


冬の北海道では雪や水などで玄関が濡れることもよくあるので、玄関兼土間部分にも床暖房を入れてあります。


土間自体には蓄熱性の高い札幌軟石を敷いたので、普段家族だけの生活では床暖房を入れなくても雪や水は気付けば乾いていますが、来客が多い際には使用しています。


我が家には玄関からリビングまでを隔てるドアがないため、時々玄関からの冷気に対するご質問もいただきます。


玄関先で長くドアを開けておくようなシチュエーションでは冷気を感じることもありますが、玄関からリビングまでの廊下部分を長く取ったことで、日常生活で玄関ドアを開け閉めする程度でリビングまで冷気が入ってくることはほぼありません。


インテリアにも馴染む暖房


2階の主暖房は各部屋の窓下に設置したパネルヒーター。北海道では採用されているお家が比較的多い暖房器具だと思います。


パネルヒーターのメリットは


1.火を使わないので、火事の心配がなく直接触れても火傷しにくいためこどもやペットがいても安心・安全性が高い 。

2.温風ではなく輻射熱を使って暖めるため、空気が汚れにくく乾燥もしずらい。

3.作動音がとても静かなので赤ちゃんのいるお家でも安心。


デメリットをあえて挙げるとすれば、こまめなオンオフができないことでしょうか。


輻射熱によりじわじわと家全体を温めるシステムなので、基本的には24時間つけたままで常に均一な温度に保つため、エアコン暖房のように都度つけたり消したりはしません。


玄関やトイレ・洗面所も含めて常に暖かいので家の中での温度差があまり無く、とても快適に過ごせます。 (※我が家の玄関やトイレにはパネルヒーターは設置してありませんが、一般的にという観点で)


洗面所につけたパネルはヒーターとしてはもちろん、タオルウォーマーとしても使用できるのでお風呂上がりに暖かいタオルを使えるのが冬の楽しみでもあります。


快適に暮らすためにしておきたいこと


雪国は冬が長いので、家を建てる際に断熱や暖房を考えるというのはとても重要な部分になってきます。我が家のように大きな空間や窓、土間を設けるとなると更に暖房の計画はしっかりと立てる必要があると思います。


断熱や暖房についてはプロの知識と施工技術が必要になってくるので、間取りも含め設計者と相談し、冬でも暖かく楽しく気持ちよく暮らせる方法を見つけられたら良いですよね。


雪国でも開放的な空間で快適に暮らせているのは、設計段階で冬の暮らしを具体的にイメージし、それに合った家づくりが出来たからだと実感しています。


我が家の情報がこれからお家づくりをされる方にとって少しでもお役に立てたら幸いです。今回も最後まで読んで下さりありがとうございました。



家を建てる時には優先順位をつけるのも大事なことですが、1番を優先した故に何かを我慢しなくてはいけないということも多々あると思います。しかし、その我慢が“寒さ”となると、冬はとても寒くなる北海道では辛いですよね...。


自然や季節の移ろいを感じられる家をコンセプトに景色を望める大開口の窓を設けたお家は、断熱や機密性にも重点をおき、サッシや窓などの設備も充実させることで開放的な空間の中でも快適に暮らせています。


1階には床暖、2階にはパネルヒーターと、暖房を使い分けているめぐみさんのお家は、暖房器具の充実はもちろんのこと建築段階でしっかりと暖房効率も考えられているからこそ、それぞれの良さが引き出せていることが分かりますね。


我が家もパネルヒーターをメインで採用するにあたり、断熱や気密性についてや高水準の窓やサッシを採用したほうがいい理由など設計士さんからお話があったのを思い出しました。


後から設置・施工するのが大変な備え付けの暖房器具や断熱材などは、事前説明をきちんと受けて実際に暮らしてからの様子がイメージ出来るかどうかで冬の快適さが変わってきそうですね。


めぐみさん、ありがとうございました!

(編集:megu)


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