【暮らしのインテリア】基本は無機質でシンプルに。その時々で好みの雰囲気に変えられるデザインを目指して 〜インテリアを仕事にしていた私の暮らす家(tn.h.mさん)

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「暮らしのインテリア」ではすてきなお家やインテリア・整理・収納・お掃除を体現されてる方にフォーカスし、普段インスタグラムでは発信しきれない実体験をコラム形式で配信していきます。


注文住宅、マンション、アパートなどそれぞれ暮らしの中にインテリアがあり、背景には共感する点も沢山あると思います。そんな素敵な暮らしをお届けしていきます。


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心に染みた言葉と私のインテリアルール


執筆者:tn.h.m(mie)さん


こんにちは、mieと申します。 初回2回目のコラムでは家づくりのきっかけと間取りについてご紹介いたしました。 今回はインテリアデザインについてお話したいと思います。


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イメージマップ提案からの迷走


我が家が依頼した設計事務所では、商業施設やアパレルショップ、雑誌などでスタイリングを手がけていたデザイナーさんがコーディネートを提案してくださいます。


初回のコラムでもお話しましたが、最初にデザイナーさんからヒアリングがあり、私の希望する内装のイメージ画像をマップにしてお渡しました。


しかし、マップを作ってみたものの、この時は自分の中で好きなテイストがあまりしぼりこめず、方向性が定まっているようで定まっていなかったと思います。   


私のマップを元に、デザイナーさんは様々な素材のサンプルと各部屋のスケッチやイメージ画像を新たにマップにして提案してくださいました。


しかしながら最初のヒアリング後も、インスタグラムやピンタレストを見たりカタログやサンプルを見たりする中で、新しい情報が入りどんどんブレていきました。提案をすんなりと採用できず、そこから迷走が始まりました(笑)


壁紙やフローリング、タイルや外壁等、相当な数を見て取り寄せて。良いものを見つけ見積もりを取ってはまた別のものを見つけての繰り返しで、方向性が決まらない日々でした。


デザイナーさんの言葉。そして自分の「好き」を見つめて


デザイナーさんと打ち合わせを重ねる中でアドバイスをいただいて、とても印象に残った言葉があります。


「結局、皆さんいろいろ迷っても最後は原点に戻るんですよ」


ショールーム通いやサンプル取り寄せで疲れ切っていた私に、染み渡るお言葉でした・・・。


ブランクはあるものの私はインテリアを仕事にしておりました。とはいえ、「自分の原点」と「仕事」は別物。


「自分の好みをつきつめる」という作業は自分のアイデンティティを模索するという、私にとって初めての試みでした。


その時々の好みに変えられる家とは


長く業界で働いてきた中で、国内外問わず様々なインテリアに触れる機会がありました。


自分がどんなインテリアを求めているか過去を振り返りながら整理していくと、インテリアを取り巻く環境の変化をしみじみと感じました。


当時はここまでネット環境やプラットフォームが整っていなくて、世界の見本市から発信されるトレンドも日本には少し遅れて入ってくる状況でした。日本独自の市場が根強かったように思います。


今ではネットを通して海外のトレンドがダイレクトに入ってきますし、日本で進出しているお店やネットなどで国を越えた商品の買い物もできます。


どんどん新しいものが入ってくる環境で、好きなものが変わってくるのは必然的なこと。


もともと異素材の組み合わせや、無機質なデザインの中に異質なものを組み合わせるようなインテリアが好きでしたので家自体は無機質でミニマルなデザインと素材で、色はグレーや白に。


そしてナチュラルに寄りすぎない程度に木目をベースに、アクセントで好きな色のブラックを入れていく。


無機質でシンプルだけど、ファブリックやインテリアデコレーションなどでその時々の好みに変えられる家を目指すことに。


方向性が定まってからは、集めに集めた素材サンプルから絞り込む作業に入りました。


決して押しつけられはせず相談に乗ってもらう形で進めていきましたが、そんな中でもデザイナーさんが課したいくつかのルールがありました。


デザイナーさんからのアドバイス「3つのルール」


1.木目調は多用しない


フローリングやメラミン板、壁紙などでよくある木目調の素材。


サンプルでは素敵な場合もありますが、「大きい面で見るとどうしても木目がパターン化されてフェイク感が出てしまう」とデザイナーさんはあまり使いたがりませんでした。 


キッチンのカウンターや棚はアイカの木目調のメラミン板を使っていますが、柾目柄で木目が目立たないものになっています。


木目の素材を選ぶ際はカタログやサンプルだけではなく、できるだけ実際に施工されているのを見たほうがいいと、ショールームだけではなく施工された現場に行ったこともありました。


プリントや無垢、挽き板でも大きい面を見ると意外に木目が濃かったりして、小さいサンプルでは見られなかった印象がつかめると思います。


2.木目の色はなるべく揃える


キッチンのカウンターとフローリングは、それぞれプリントと挽板ですが色を統一させています。


以前から使っている家具の色が新居と合わない場合は、デザイナーさんからはっきり言われました。


例えばお気に入りの北欧ヴィンテージ風テレビボードは、色が濃くて1階のフローリングやテーブルのホワイトアッシュと合わないため2階寝室で使用することに。そのため2階の寝室はそれに合わせてモルタル調のフロアタイルにしました。 


 3 .デザインだけでなく機能性を重視する


当初、ダイニングテーブルを造作する際に素材は足場板のような朽ち果てた無垢材にして、キッチンとダイニングの床はモルタルを希望していると伝えると、実際に使うにはおすすめしないと言われました。


理由は古材を使うとどうしても文字を書きづらいし、モルタルの床は長く立っていると腰に悪い等々、プロならではの視点にハッとさせられました。


見た目だけではなく、生活していく上での使い勝手や機能性も考えてくれるデザイナーさんからいただいたアドバイスは、とてもためになりました。


集めたサンプルの中から選んだもの


デザイナーさんからは、特に水回りについて水に強く掃除がしやすい素材をオススメされました。


そこで洗面所やキッチン、ダイニング周りの床は水に強いモルタル調の塩ビタイルに。キッチンカウンターやダイニングテーブル、キッチンバックセット、洗面台など水回りの素材は水と熱に強いメラミン板を貼ったパーチクルボードになりました。


キッチンパネルもデザイン性のない、でも汚れに強くて掃除しやすいアイカのセラールです。  


最終的にフローリングもフロアタイルも1種類ずつ、ベースクロス含めてクロスは3種類、造作に使うメラミン板は3種類。結果的に集めたサンプル達の中からかなりそぎ落とされました。


減額しながら理想に近づけたDIY「ポーターズペイント」


計画当初からインテリアでやりたかったことのひとつに、壁一面をモールテックスにするという理想がありましたが、見積もりを取ると想像以上のお値段・・・。


モールテックスのような壁紙にしては、という提案をデザイナーさんからいただきそのまま採用していました。


ある時、何気なくインスタを見ていてモールテックスのように陰影のある壁の施工事例を見かけました。よく調べると、ポーターズペイントという石のつぶが入っている塗料で、塗ると独特な陰影の出るセルフペイントができるものでした。


すぐに問い合わせて、色の打ち合わせをし見積もりを依頼しました。金額的に想定内でしたので、あとは自分たちで頑張って塗れば・・・と採用を決断。 


ポーターズペイントではセルフペイントのワークショップを開催しており、初めてでもまったく不安無く挑戦できると思います。我が家も施工前に家族で参加しました。


ポーターズペイントを採用したのは、キッチンとリビング、玄関、それから寝室です。施主塗装なので仕上げ無しで引き渡しをしてもらい、3日間で塗装しました。


キッチンの壁を塗装中の様子と、塗装後に造作家具が入った様子。造作家具が入ると壁とバランスがよくなり統一感が出ました。


一番の難関は3×6mのリビングの壁。養生、シーラー、1度塗り、2度塗りと高さもある壁を塗るのは一苦労でしたが、自分たちで家作りをしている達成感がありました。


またセルフペイントすることによって、大幅に減額できたのもポイント。  


夜に光で浮かび上がる陰影もお気に入りです。


ポーターズペイントは後からまた自分たちでペイントできるので、思い切った色を使っても良いのかもしれません。我が家も何年かしたらまた別の色に模様替えしたいと思っています。


大型のテレビボードを取り付けて


リビングのテレビボードを壁に取り付けたのも、自分たちでしたことのひとつです。


あらかじめ取り付ける部分の壁に下地を入れておいてもらい、IKEAのベストーシリーズのテレビボードを自分たちで組み立てて取り付けをしました。 


テレビボードは取り付ける壁面が大きくてテレビも75インチと大型でした。そのため120cm幅のユニットを3つ並べて360cmの大型ボードになりました。


造作するよりも大幅に減額できましたし、理想であった壁付ボードのすっきりしたデザインにとても満足しています。


今回は我が家のインテリアデザインについてお話いたしました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。  



新しい情報が入ってきてどんどんブレていく気持ちや、サンプルを取り寄せては見積もりを取ってを繰り返ししてしまう気持ちがとってもよくわかります。


考えれば考えるほどに、まるで抜け出せない迷路に入ってしまったかのようになりますよね。mieさんはそんな時にデザイナーさんの言葉をきっかけとして、自分を見つめる作業をされました。


ブレる部分や様々なインテリアを知っていたからこそ辿りつけた、その時々の好みに変えられる家。


ポーターズペイントをセルフペイントしたりテレビボードをDIYで取り付けたりして、予算内で好みのインテリアを実現するのも素敵ですよね。


DIYというとどうしてもあたたかい雰囲気が頭に思い浮かびますが、無機質なインテリアをつくるためのDIYもいいなと思いました♩


mieさん、ありがとうございました!

(編集:kaori)


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